【中学受験後】中1から鉄緑会に通うべき?長男3年間・次男の選択で分かったこと

中学受験を経験した子供の多くは、塾と親にお尻を叩かれながら勉強させられてきました。その子供が中学入学後、尻を叩かれずに勉強を継続するでしょうか?

できる子も居るでしょうが、多くはコツコツと勉強する習慣が消滅し、下図のようになるでしょう。

先に結論

放っておくと勉強しない子なら、中1から入れます。自分で勉強を進められる子なら、数学も英語も中1から通う必要はありません。

うちは長男を中1から英数2教科で入れ、次男は英語だけにしました。この記事は、2024年1月(長男が中1)に書いた本文と、その後の兄弟2人の実際をまとめたものです。

鉄緑会というと東大、特に東大理科Ⅲ類を目指す塾で、一般からはかなり敷居が高いイメージがあります。

しかし、30代40代の親世代からみた大学受験は子の世代と様変わりしていることを認識する必要があります。

親世代の頃は情報の取得が今より簡便ではなく、有益な情報へのアクセスが難しかったです。

しかし、今は誰でもスマホから有益な情報にアクセスでき情報がある意味均一化されているので、どのような勉強法が良いのか判断しやすいです。

今は将来を見越して何学部が良いのかを考えると、医学部や情報系が挙げられています(その是非は置いとくとして)。

僕ら親世代の頃は、医者家庭でなければ医学部がここまで良いなんて誰も教えてくれませんでした。

なんとなく良いとは感じていても、まぁ非医の東大か京大でも良いかという感じの人も多かったと思います。

今は違います。

情報に容易にアクセスできるので、何学部がコスパが良いのか誰でもよくわかります。

受験におけるコスパという言葉は好きではないですが。

そのような状況の中で、子供たちは戦っていくことになります。

親世代の時とは違って、親自身も情報に明るくなっているので、上位層の戦いはより苛烈になっています。

同じ能力であった場合、やはり公立中学より中高一貫校が有利なのは自明ですし、さらに、ノウハウがしっかりしていて実績があるやり方(塾)で学ぶ方が効率が良いです。

結果として、東大を目指すつもりはなくても、ペースメーカーとして実績が良い鉄緑会がベターという考えになります。

なんといっても、立ち位置(順位)からどの大学学部に行けるのかイメージがつきやすいです。

学校の順位でも良いと思いますが、外部評価の方がよりリアルです。

特に現役における立ち位置がわかるのが良いです。

目次

中1から行かせる必要があるのか?

もしお子さんがお尻を叩かずともコツコツやるタイプ、あるいは、天才タイプで高2からでも捲れる能力があるのであれば中1から行かせる必要は全くありません。

また学校がスパルタ管理タイプであれば、同様に必要ないでしょう。

では管理タイプでない中学校の場合、中学受験でお尻を引っ叩かれながら、やっとこさ勉強していた子供が中学になって自分一人で勉強するでしょうか?

答えは「否」です。

せっかく身についた勉強習慣も維持できずに消滅し、定期テスト前だけ勉強するパターンとなり学力は低下していきます。

その結果、公立中学からコツコツ勉強組に捲られてしまうのです。

せっかく中高一貫校に入学したメリットが消滅してしまうのです。

むしろ、高校入試がある公立中学組に高校入学時点で負けてしまっている可能性すら、でてきてしまうのです。

現に鉄緑会の会報に載った合格者アンケートを見ると、

「過去の自分に勉強のアドバイスができるとしたら、何年生の自分にするか?」

という質問に対して

「中1の自分」

という回答が全体の30%と1位でした。

やはり、せっかく頑張って中学受験したのだから、その優位性を維持した方がいいに決まっています。

むしろ、その優位性がなければ中高一貫校に通うメリットが失われてしまいます。

もちろん、鉄緑会に限らず、自分でコツコツできたり、学校が厳しく指導してくれたり、他の大学受験塾でも構いません。

大事なのは、

『中学受験がゴールではなく、スタートライン』

という認識です。

大学受験へのアドバンテージを得ただけであって、さぼればそのアドバンテージはすぐに消滅し、むしろ「やれば挽回できる」という謎な自信を産む害悪にすらなりえます。

気づいた時には、学力は地に落ち、挽回できるような距離にライバルはいないのです。

中には、高校から勉強を頑張って捲ってくる人も居るでしょうが、多くはライバルとの距離に絶望し戦意を喪失するのです。

だから、中学受験をするにあたって、子供には

「中学受験後も勉強が続く」

と説明すべきですし、なんなら

「大人になってもずっと勉強が必要」

と説明すべきでしょう。

なにが言いたいかというと、

「人生ずっと勉強である」

ということです。

ちなみに、中1の鉄緑会を見るとビビるほど大変ではありません。

通っている長男の様子を見ていると、宿題に週2〜4時間ほどを要するだけです。

もちろんトップ層ではないですが、ほどよくついていけています。

高校から入ると大変かもしれませんが、中学から少しずつやっていくと慣れるのでしょう。

長男と次男で通い方を変えた理由

この本文を書いてから2年半以上がたちました。長男は高1になり、今も鉄緑会に通っています。次男も2026年に中学受験を終え、鉄緑会に入りました。

ただ、2人の通い方は違います。

長男:中1から英数2教科。ただし「ゆる」鉄緑会

長男は、放っておいたら全く勉強する感じがない子でした。

そしてうちは男3人。次男・三男の中学受験が控えていたので、3人のうち常に1人は「ノーマーク」になります。長男には、親が見なくても勉強を切らさない仕組みが必要でした。それで中1の春から、数学と英語の2教科で入れました。

とはいえ、「ゆる」鉄緑会です。最低限の宿題さえすればオッケーというスタンスで3年間を過ごしました。英語の「重要英語文」という課題は毎回「不合格」でした。まぁやる気がありません。

中学の間は上位クラスを希望せず、家から近い西宮校の一般クラスに通っていました。本人いわく「そこまで勉強したくない」。

それでも、中3で受けた外部模試(Z会アドバンスト模試)では校内偏差値60以上、全国偏差値68以上でした。定期テストではなく外部模試の結果を見て「やっぱり効果はあるんだな」と感じました。

中3の1月には、ベネッセと鉄緑会の「中3東大模試」も受けました。宿題をギリギリやるかやらないか程度で、過去問もせず、申し込みも期限ぎりぎり。帰ってきた感想は「英語が激むずで意味わからなくて最後寝た」「数学は1問をめっちゃミスった」。正直、D判定(最低)だと思っていました。

結果は、成績記録に書いています。

次男:英語だけ。数学は自分で進める

次男は、数学にも通いたがっていました。でも、親の判断で「数学は行かなくていいかな」と英語だけにしました。

理由は3つです。

  • 通う学校が遠く、2教科分の通塾はしんどい。数学をいつから鉄緑会にするかは、本人の体力と精神面を見ながら決める。
  • 数学は自分で進められる。春休みには学校でもらった「プライム数学」の代数1・幾何1を終えて代数2に進み、以前買った算数オリンピックの広中杯の過去問も解いていました。
  • 英語は独学が難しい。小4まで通っていたゆるい英会話教室の遺産は枯れていて、中学生用の参考書を1人で読んで理解するのは厳しそうでした。

英語も「しんどかったら遠慮なく休む」でオッケーにしています。休んでもWebで授業が見られるので、体調を犠牲にしてまで通う必要はないと思っています。

ちなみに長男の意見は「中1から数学は通う必要ないで〜」でした。

今の答え

放っておくと勉強しない子なら、中1から入れる。自分で進められる子なら、数学も英語も中1からは要らない。次男が英語だけ通っているのは、英語を自分で進めるのは難しいと判断したからです。

中学受験後に残したいのは、受験期の勉強量そのものではなく、勉強する習慣が完全に消えない状態です。大切なのは塾の名前ではなく、その子が勉強を続けられる仕組みがあるかだと思います。

入会前にやること(新中1の1〜3月)

入会試験は「国語と算数」

新中1の入会試験は国語と算数です。それ以降の学年は数学と英語になります。

長男は1月中旬に中学の合格発表を受けてから、1月末の入会試験までに、2023年の灘(1日目・2日目)・甲陽・星光の算数を1日2〜3問やっただけです。国語は一切やっていません。

終わった長男の感想は「灘、甲陽、洛南よりは簡単だった」。次男は「ほぼ全部解けた」とのことでした。

結果は電話で来ます。長男は日曜に受験して、4日後の木曜の夜8時ごろに電話があり「Bクラス(一般)」。次男は3日後くらいに電話があり「Aクラス(上位)」でした。長男いわく「上位でなければ、多少悪くても一般は受かると思うで」。

合格の電話で決めること

合格の電話で、教室(大阪・西宮・京都)、曜日、教科を決めます。中学の間は数学と英語の2教科で、1教科だけでもかまいません。

どの教科を取るか相談したところ、長男の中学は数学の進度が鉄緑会と同じようなので、両方こなすのは大変。数学は取らずに英語を、と勧められました。お金儲け目当てなら両方勧めそうなものですが、生徒のことを想っているのだと思いました。うちは結局、2教科で始めて、部活が忙しくなれば英語だけにする方針にしました。

教室は家から近い方を勧められ(高校からは大阪校になります)、「塾がメインではなく、部活や学校生活を第一優先に」とも言われました。これは同感です。

入るなら新中1の春が入りやすい(我が家の実感)

長男は入会後すぐ曜日を変えたくて電話しましたが、「どの枠もいっぱいで今は難しい」とのことでした。6月ごろに曜日の再調整があり、そのときに動けました。西宮校はその頃すでに空き待ちと聞きました。

中1が始まってからだと入会テスト自体も難しくなり、枠も少ないようなので、入会しやすい中1の春に受けておいてよかったと思います。

春休みに予習しておく

今になって思うと、とにかくお薦めは「春休みに予習をしておく」ことです。

長男は1月末から「チャート式体系数学1 代数編」を1日1時間くらいずつ進め、4月初めに終えました。そのあと「幾何編」に入りました。

中学に入ると、鉄緑会はまず代数だけですが、学校は代数と幾何が並行して進みました。春休みに幾何まで手を付けていたので、学校の授業にもすんなりついていけました。

英語は、中学も鉄緑会も、be動詞の肯定文・疑問文・否定文くらいは知っている前提で進みます。長男は春休みに英検5級の問題集をだらだらやる程度でしたが、それでも助かりました。

中1の最初のテストでつまずくと、いきなり劣等感がついてしまいます。教材は何でもいいので、少しでも先に進めておくのがいいと思います。

通い始めてからの負担(中1〜高1)

授業は1教科週1回、3時間ぶっ続け

中学の間は、1教科につき週1回3時間の授業です。休憩なしのぶっ続けです。

「3時間連続で教え続けるのってふつう無理やで。講師の先生は偉いな!」と長男に言ったら、「ちがうで。先生は問題やらせているとき休めるけど、俺らはずっとやらされてる。だから俺らのほうが偉いんやで!」と返ってきました。まぁ、どっちも偉いです。

浜学園で長い授業を耐えてきたので、3時間は苦にならなかったようです。

家での勉強時間の目安

長男の感覚では、鉄緑会の宿題は中1で1日30分、中2で45〜60分、中3で60分かければ終わるレベルでした。中学受験の頃と比べると10分の1くらいの印象です。

ただし単元によっては重くなります。中2の幾何の証明は、真剣に取り組むと宿題だけで4時間かかりました。

目安として、この宿題に毎日1時間以上かかってしまう場合は、鉄緑会がオーバースペックになっているとも言えます。中学のうちに鉄緑会の宿題を無理なくこなせるかどうかが、続けるかどうかのポイントかもしれません。

中間テストの時期も授業は休みにならない

鉄緑会は中間テストには忖度なく、通常どおり授業があります。期末テストの時期だけは「ダブル授業」といって、2週にわたって同じ授業をしてくれるので、どちらかに出ればいいです。

鉄緑会は「中間テストがあっても休まずに来るべし」と口酸っぱく言っていて、うちも原則は並列させています。中1は乗り切れます。中2もまだ乗り切れる。中3は厳しい。学年が上がるほど並列は大変になります。

部活との両立

長男は週6日の運動部を続けながら通いました。部活は17時まで。鉄緑会の日は部活からそのまま向かい、ご飯をゆっくり食べる時間もない日がありました。帰ってからは何もせず、ゲームして寝ていました。

中学の間は「学校(部活)7割、鉄緑会3割」くらいでいいと、親は思っていました。

高校からは重くなる

高校からは京都校を除いて全員大阪校になります。長男は高1で化学を自分から追加し、平日3日が鉄緑会、それ以外の平日と土曜はほぼ部活という生活です。

費用

長男が入った2023年当時の月謝は、1教科17,200円、2教科33,900円でした。

2025年の1年間(中3、英数2教科)に払ったのは490,800円でした。講習会の費用は入っていません。月にすると4万くらいです。

講習会は夏・冬・春に4日間ほどありますが、受講は必須ではありません。長男は中3の夏と冬は参加していません。

これが高いか安いかは価値観によりますが、私は妥当〜安いかなと考えています。なんとか長男がついていっているからかもしれません。

通ってわかったこと

講師がよく見てくれている

SNSでは「ついていけない生徒は置いていく」などと書かれていますが、少なくとも中1の段階では、むしろしっかり見てくれていました。

中1の保護者会のあとの個別面談で、英語の講師から「標準コースだと長男くんの性格的につまらなくなる」「宿題はやってきているけど詰めが甘い」と言われました。それを長男に伝えると、恥ずかしそうに「わかった」と言って、以前よりちゃんと英語に取り組むようになりました。男の子は単純なので、親より講師からの一言が効きます。

採点が細かい

中2のとき、長男は数学の復習テストで、答えは合っているのに途中がメモ書きで伝わらないという理由で0点をもらいました。

入試は相対評価なので、同じ正解なら、過程が相手に伝わる答案の方が選ばれるでしょう。こういうノウハウはテキストを解いているだけではわかりません。鉄緑会は通ってこそ価値があると思います。

立ち位置は校内模試で見る

毎回の復習テストや総復習テストは、欠席者用のWeb授業の資料にテストと解答が入っているので、事前に見てから受ける子もいるようです。長男いわく「だから復習テストの順位とか当てにならんで」。うちは「悪くてもいいから実力で解いてな」と言っています。

本当の立ち位置がわかるのは、年2回の校内模試です。クラス分けに使われるのもこのテストだけです。

やめどき|ついていけない・やる気がないとき

ついていけないとき、本人のやる気がないときは、やめるべきだと思います。

特に、やる気がなく宿題をしない、復習テストで平均点の半分以下が続く、無断欠席が続く。こういうときは早期撤退がいいです。

そのうえで、塾を変えるのか、そもそも塾が要るのかを子どもと話し合うべきです。

長男はやる気こそ低かったものの、宿題は最低限こなし、復習テストは70点くらいで帰ってきて、テスト期間中も休まず通っていました。だから続けました。やる気の有無だけでなく、宿題・復習テスト・出席を見て判断すればいいと思います。

行かない選択・途中から入る場合

2024年の本文にも書いたとおり、自分でコツコツやれる子、学校が厳しく管理してくれる場合は、中1から行かせる必要はありません。次男の数学がまさにそれです。

中学の途中から入ることもできますが、我が家の実感では、新中1の春より入会テストは難しくなり、枠も少なくなります。

その後どうなったか

ゆるくても切らさずに通った長男と、英語だけの次男。その後の結果は、成績記録として書いています。

中1から「ゆるくても切らさない」を3年以上続けた長男は、高1の校内模試でどこにいたか。

数学を受講していない次男が、校内模試で数学も受けた結果。

高1保護者会で配られた大阪校の合格実績から、鉄緑会で何%にいれば何が見えるのか。高2以降の時間割も。

長男の中2・中3・高1の記録は、成績記録の部屋の「長男の記録」にまとめています。

まとめ

2024年に書いた「中学受験がゴールではなく、スタートライン」は、今も変わりません。

ただ、中1から鉄緑会に入れるかどうかは、子どもによります。放っておくと勉強しない子なら入れる。自分で進められる子なら、無理に入れなくていい。入れたとしても、宿題・復習テスト・出席を見て、合わなければやめる。

うちは長男と次男で答えが違いました。兄でうまくいった形を、そのまま弟に当てはめる必要はないと思っています。

中学3年間で、英語と数学をどこまで、どんな順番で進むのか。宿題の量も含めて、こちらにまとめています。

🧵 テストの速報や、記事にする前の日々のあれこれは、Threadsで先に書いています。

Threadsでフォローする → 𝕏でも書いています →

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この記事を書いた人

⭐︎中規模病院で勤務医をしています。
⭐︎子供は男の子が3人いて、遊び、ふざけ、いたずらでカオスな毎日を送っています。
⭐︎子どもの中学受験を通じて、子育てや受験に関しての情報発信を行なっています。
⭐︎好きな教科:算数、理科、数学、物理、化学とゴリゴリな理系マッチョです。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次