最近、ちょっと面白い経験をしました。
最後まで読んでいただければ、いつもの公開テストや受験勉強の記事とは少し違いますが、これから子どもたちが生きていく時代を考えるうえで、意外とためになる話なのではないかと思い記事にしてみます。
私は本業とは別に法人で事業をしています。
実はこの法人、これまでホームページがありませんでした。なくても特に困っていなかったからです。仕事は既存のつながりなどで成り立っていましたし、「わざわざ時間をかけてホームページを作らなくてもいいかな」と思っていました。
ところが今年、Fable5がローンチされたことをきっかけに、せっかくだから法人のホームページも作ってみようと思い立ちました。

このブログもFable5+ChatGPTでかなり大幅にリフォームしましたが、法人のHPについては、このブログ以上に細かいところまでこだわりました。
- 誰に来てもらいたいのか
- その人はどんなことで困っているのか
- 最初に何を見せれば安心してもらえるのか
- どんな順番でページを読んでもらうのか
- 他社と比較されたとき、何を見て「ここに相談しよう」と思ってもらうのか
- プロフィールはどこまで出すか
- 料金はどう見せるか
- 専門性はどう伝えるか
- 問い合わせをする直前の人は、どんな言葉を探しているのか
かなり細かく考えました。
もちろん目的は一つです。
人間に選んでもらうためです。
AIに選ばれよう、なんてことは特に考えていませんでした。
HPを作って1か月ほどして、問い合わせが来た
法人HPを公開してまだ1か月ほど。
ある企業から問い合わせが入りました。
相手は東京の会社。こちらは関西です。
しかも、その会社が抱えていたのは、かなり具体的な困りごとでした。
単に、「この分野の会社を探しています」というような漠然とした相談ではありません。
ある具体的な問題があり、「このケースについて専門的に相談できるところを探している」という問い合わせでした。
最終的には契約に至りました。
そこで後日、担当者の方に聞いてみました。
どうやって私のところを知ったんですか?
返ってきた答えが、私にはかなり衝撃的でした。
「AIに聞きました」
担当者は、その困りごとについてAIに相談したそうです。
するとAIが、相談先として3社ほど候補を提示したとのこと。その中に私の法人が入っていました。
そして担当者自身が3社を比較し、「今回の困りごとには、ここが一番合っている」と判断して、私の法人に問い合わせをしたそうです。
私はそれを聞いて、「もうそんな時代になったのか」と思いました。
Googleで検索して1ページ目に出た。広告を見た。SNSで見つけた。知人から紹介された。これまでなら、そんな経路を想像します。
ところが今回は、
- AIに自分たちの困りごとを相談する
- AIがインターネット上の情報から候補を3社ほど選ぶ
- 人間がその3社を比較する
- 最終的に自分たちに一番合うところを選ぶ
という流れでした。
しかも相手は東京で、こちらは関西です。
地理的な距離よりも、「この困りごとなら、どこが一番合っているか」をAIが先に考えて候補を絞り込んだわけです。
これは私にとって、かなり新鮮な経験でした。
普段から私はChatGPTをかなり使っています。それでも、この話を聞いたときは正直かなり驚きました。
AIで文章を書いたり、調べ物をしたりする時代になったことは分かっていたつもりです。
でも、企業が具体的な困りごとをAIに相談し、AIが相談先そのものを選ぶところまで来ているとは、実際に自分が選ばれる側になるまで実感していませんでした。
人間に選ばれるために作ったHPが、AIに選ばれた
ここが今回、一番面白いと思ったところです。
私はAI対策をしたつもりはありません。
「ChatGPTに推薦されるHPを作ろう」なんて考えて作ったわけでもありません。
考えていたのはずっと、
「人間が見たときに分かりやすいか。」
「そして、ここに依頼したいと思うか。」
それだけです。
- 誰がやっているのか
- 何が得意なのか
- どんな問題に向いているのか
- 逆に何ができないのか
- 料金はいくらなのか
- 他と何が違うのか
相談する側が不安に思いそうなことを、できるだけ先回りしてHPに書きました。
そして単に、「専門性があります」と書くだけではなく、「こういうことで困っている会社なら、この部分が役に立ちます」という形で説明しました。
結果として、それをAIも理解したのでしょう。
AIに選ばれるために作ったわけではない。
でも、人間が比較して選びやすいように情報を整理した結果、AIにとっても選びやすいHPになっていた。
これは結構大事なことなのではないかと思いました。
AI時代は「検索される」から「選別される」へ
これまではネットで何かを探すとき、Googleで検索する。上から順番にHPを見る。自分で何社も比較する。そんな流れが普通でした。
ところが生成AIが普及すると、「こんなことで困っています。どこに相談すればいい?」と聞くだけで、AIが大量の情報を調べ、その中から数社を候補として出してくれるようになります。
そうなると私たちは、単に検索結果の上位に表示されることだけではなく、AIが大量の候補の中から「この会社は今回の問題に合っている」と判断できることも重要になるのかもしれません。
もちろんGoogle検索や広告がなくなるとは思いません。
ただ、これまでのように、「お金を払って上に表示されれば、とりあえず見てもらえる」という価値は、少しずつ相対的に下がっていく可能性があります。
AIは、人間なら到底読み切れない量の情報を短時間で比較できます。
そうなると、「検索結果の上の方にいたから」より、「今回の問題を解決できそうだから」という理由で候補に入ることが増えていくのでしょう。
ということは……
やはり大事になるのは、他との違いだと思います。
特徴。個性。専門性。問題を解決する能力。
「何でもできます」と似たようなスキルを並べているだけでは、何百、何千という候補の中に埋もれてしまう。
逆に、「これならこの人」というものがはっきりしていれば、住んでいる場所や会社の大きさを越えてAIが見つけてくれる可能性がある。
今回、東京の会社から関西の私のところに問い合わせが来たことで、それを実感しました。
そして、これって会社だけの話ではないと思うのです。
子どもたちが大人になる頃には、もっと進んでいるでしょう。
子どもたちも「AIに選ばれる」時代になる?
例えば将来、企業が人材を探すとします。
企業がAIに、「こういう仕事を任せるのに合う人を探して」と頼む。
するとAIが、学歴、資格、経験、過去の成果、専門分野、発信内容などを比較して、「この5人が合いそうです」と候補を出す。
そんなことが普通になっていても、私は全く不思議ではないと思います。
そのとき、「有名大学を卒業しています」だけで十分なのでしょうか。
もちろん学歴には意味があると思っています。
中学受験をしている我が家が、「これから学歴なんて必要ない」と言うつもりは全くありません。
むしろ基礎学力は絶対に必要だと思っています。
算数を考え抜く力。国語で文章を正確に読む力。理科や社会で知識を積み上げる力。難しい問題でも簡単に諦めず考える経験。
AIがどれだけ賢くなっても、自分自身に知識や判断力がなければ、AIが出してきた答えが正しいのかすら判断できません。
だから学力は、これからも大切な土台になると思います。
ただし、その土台の上に、「この人は何ができる人なのか」が今まで以上に必要になるのではないでしょうか。
「何でもできます」より「これならこの人」
今回の問い合わせが、まさにそうでした。
一般的な相談だったら、私のところが選ばれていたかどうかは分かりません。
問い合わせの内容がかなり具体的だった。そして、こちらにもその問題に対応できる明確な専門性があった。
だから候補に入ったのでしょう。
これは、子どもたちにも同じなのかもしれません。
全科目80点を取れることも大切です。中学受験では、苦手科目がないことは間違いなく強い。
でも、その先の人生まで考えると、「これならこの人」というものを持っている人はもっと強いのかもしれません。
- 算数がものすごく好き
- 歴史なら延々と話せる
- プログラミングなら何時間でもやっている
- 野球のデータだけは異常に詳しい
- 文章を書くのが好き
- 人に説明するのがうまい
何でもいいと思います。
子どもの頃には、それが将来何の役に立つのか分からないこともあります。
親から見れば、「そんなことばっかりしていないで勉強しなさい」と言いたくなることもあります。
もちろん受験前なら、言うと思います(笑)。
でも、そういう偏りや異常なくらい好きなことが、10年後、20年後にはその子を「その他大勢ではない人」にするのかもしれません。
中学受験の価値も、偏差値だけではないのかもしれない
中学受験では、どうしても数字が目に入ります。
偏差値。公開テストの順位。クラス。合否判定。
私も当然気にします。
公開テストの結果が良ければうれしいし、悪ければ心配になります。
でも今回の経験をして、改めて思いました。
子どもたちが社会に出る10年、15年先には、「どこの学校を出たか」だけで選ばれる世界では、今以上になくなっている可能性が高い。
では、中学受験する意味はないのか。
私は逆だと思います。
いい学校に行く意味は、学校名だけではありません。
その学校で何を学ぶのか。何に興味を持つのか。どんな友達と出会うのか。どんな先生に出会うのか。何を深く掘っていくのか。
例えば、自分が大好きな分野について、自分以上に詳しい同級生に出会う。
「こんな世界があるんだ」と思える先生に出会う。
部活、研究、留学、コンテストなど、それまで知らなかった世界に触れる。
そうやって、「自分はこれが好きなんだ」というものを見つけていく。
そう考えると、中学受験の価値も、単に偏差値表の上にある学校へ行くことだけではないのでしょう。
AI時代だからこそ、自分で考える力が必要になる
AIは非常に便利です。
聞けば、かなりのことを教えてくれます。
子どもたちが大人になる頃には、今よりもっと賢くなっているでしょう。
だからこそ、「AIが答えを出してくれるなら、勉強しなくてもいい」ではないと思います。
むしろ逆です。
AIが出してきた答えに対して、「本当にそうなの?」「別の考え方はない?」「この場合はどうなる?」「自分はどう思う?」と考えられる人の方が強い。
そして、そのためには結局、読解力も、知識も、論理的に考える力も必要になります。
そう考えると、中学受験でやっていることも決して無駄ではありません。
ただ、正解を当てることだけがゴールではない。
問題を読んで、自分で考える。間違える。なぜ間違えたのか考える。もう一度考える。
そういう経験そのものが、AI時代に必要な力につながっていくのかもしれません。
AIに好かれるために生きる必要はない
ここは勘違いしたくないところです。
子どもたちに、「AIに評価される人間になれ」と言いたいわけではありません。
そんな人生は面白くありません。
今回私自身も、AIに選ばれるためにHPを作ったわけではありません。
人間にきちんと伝わるように作ったら、結果としてAIにも伝わった。
順番はこっちです。
これはこれからも変わらないのではないでしょうか。
小手先で一般大衆やAIに好かれようとするより、自分が何者なのかを明確にする。得意なことを磨く。人の役に立つ。それをきちんと言葉にする。
そうしておけば、人間にも伝わる。
AIにも伝わる。
AIが選び、最後は人間が選ぶ
今回も、AIが契約を決めたわけではありません。
AIは3社を提示しただけです。
最後に私のところを選んだのは、企業の担当者です。
ここも面白いところだと思います。
これからの時代は、AIに候補として選ばれる力と、その候補の中から人間に最終的に選ばれる力の両方が必要になるのかもしれません。
私自身、HPを作るときに細部までこだわったのは後者のためでした。
ところが、その設計が前者にも効いた。
これは完全に想定外でした。
受験の先にある世界
中学受験をしていると、どうしても目の前の入試がゴールのように見えます。
でも当然、本当のゴールではありません。
子どもたちが働き始める頃には、AIは今よりずっと身近になっているでしょう。
そのとき必要なのは、AIよりたくさん知っていることではない気がします。
知識量だけでAIに勝つなんて、たぶん無理です。
それより、「自分にはこれがある」と言えるものを持つこと。
そして、それを必要としている人に、きちんと伝えられること。
今回、自分の仕事で思いがけずAIに選ばれる経験をして、子どもたちが生きていく世界は、もう私たち親世代とはかなり違うところまで来ているのかもしれないと感じました。
だから中学受験でも、偏差値を上げる。志望校に合格する。それはもちろん大事。
でも、その先に、
- 何が好きなのか
- 何が得意なのか
- 何なら誰にも負けたくないのか
- 「これなら自分」と言えるものは何なのか
そんなことも、少しずつ見つけていってほしいなと思います。
人間に選ばれるために一生懸命作ったHP。
そのHPを、思いがけず先に選んだのがAIでした。
AIが候補を選び、その中から最後は人間が選ぶ。
子どもたちが大人になる頃には、それが普通の世界になっているのかもしれません。
ちょっと面白い時代になってきました。


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