はじめに
今回は、浜学園の小6後半、だいたい夏休み以降から入試直前期に入る前までに何を意識すべきかをまとめます。
小6前半までの流れは、こちらの記事にまとめています。
小6後半は、いよいよ受験が現実になります。夏は天王山と言われますが、夏が終わったら楽になるわけではありません。秋も山場ですし、冬も山場です。正直、最後までずっと山です。
ただし、小6後半は、課題・講座・模試をひたすら増やし続ける時期ではありません。もちろん勉強量は必要です。ここで勉強しなくていい、という話ではありません。そんなことを言ったら、浜学園の先生に怒られます。
小6後半は、志望校に必要な学習を選び、不要なものを減らし、過去問・併願設計・生活を本番へつなげる時期です。
先に結論をまとめます。
- 小6後半は、新しい課題を増やすより志望校に必要なものへ絞る
- 平常授業、志望校別講座、模試、過去問の役割を分けて考える
- 塾の宿題を全部同じ濃さでやらない
- 過去問は点数だけでなく、科目、単元、時間、失点理由、再現性を見る
- 一回の模試、判定、クラス、講座資格で合否を決めつけない
- 第一志望、併願、前受け、日程、移動を早めに整理する
- 睡眠、食事、体調を勉強と同じ優先度で見る
- 本番前日、当日、合格発表の詳しい実務は別記事(記事末のカード)に分けています
我が家の次男の小6後半の成績推移はこちらにまとめています。
小6後半は、親も不安になります。本当に不安です。夜に検索します。「小6 秋 伸びる」「過去問 合格最低点 届かない」「冠模試 悪い 合格」。検索履歴がなかなかのホラーです(笑)。
でも、親の不安をそのまま子どもにぶつけても、得点は上がりません。ここからは、親もかなり試されます。
夏期講習後から本番直前前までのロードマップ
小6後半は、時期ごとにやることと減らすものが変わります。夏期講習が終わってから、本番直前期に入る前までを整理すると、次のようになります。
| 時期 | 最優先 | 確認すること | 減らす候補 | 次の時期への到達点 |
|---|---|---|---|---|
| 夏期講習終了直後 | 夏の消化不良の整理、生活リズムの回復 | 基礎の穴、夏にやり残した単元 | 夏教材の完璧主義 | 9月の講座・模試に体力を残す |
| 9月 | 日曜志望校別特訓と平常授業の両立 | 講座の復習が回っているか | 現志望校に関係の薄い難問 | 過去問を始められる基礎状態 |
| 10月 | 過去問の開始、弱点の発見 | 募集要項・出願日程の最新版 | 全宿題を同じ濃さでやること | 第一志望の課題が言語化できる |
| 11月 | 模試と過去問から優先順位を決める | 併願・前受けの最終整理、出願準備 | 新しい教材・講座の追加 | 出願と日程が固まっている |
| 12月 | 知識系、できなかった問題の解き直し、体調管理 | 直前特訓の予定、生活リズム | 未消化の難問リスト | 直前特訓に体調万全で入る |
| 本番直前前 | 確認中心、新しいことを増やさない | 持ち物・移動・発表日程の下準備 | 弱点の総ざらい願望 | 直前期の実務(別記事)へ移行 |
小6後半で大事なのは、志望校の得点に直結する勉強です。「やった方がいいもの」は山ほどあります。でも、「今、それをやることで本番の点が上がるのか」を考えないと、忙しいのに伸びないという状態になります。
勉強しているのに不安。宿題しているのに過去問が取れない。模試を受けているのに判定が上がらない。この時期は、本当にメンタルにきます。
だからこそ、優先順位が大事です。やることを増やすより、やることを並べ替える時期だと思います。
小6秋の計画の立て方は、こちらの記事も参考になります。
小6後半のスケジュールは、ほぼ毎日塾
次男の場合、小6の8月以降は、マスター授業が週3日、最高レベル特訓算数と理科で1日、第1・第3日曜日が灘特訓、第2日曜日が公開学力テスト、第4日曜日が合否判定テストなど、という生活に加えて、週1回の過去問特訓が入りました。
ほぼ毎日塾です。塾から帰ってくるのが21時30分くらいになることもありました。
そうなると、睡眠時間の確保が大きな問題になります。塾から帰ってきて、そこからさらに大量に勉強するのは難しいです。我が家では、帰宅後の勉強はほどほどにして、23時までには寝るようにしていました。朝勉も、無理にやらせるというより、学校ギリギリまで寝ることもありました。
ここは家庭によって違うと思います。朝型の子もいますし、夜に強い子もいます。ただ、小6後半で睡眠を削りすぎるのは危険です。眠い状態で勉強しても効率が落ちますし、眠い状態で模試を受けても判断力が落ちます。
そして、眠い状態で親に何か言われると、親子ゲンカになります。これは多くの家庭で起こりうると思います。受験直前期に家庭内で消耗するのは、できるだけ避けたいところです。
小6後半は、勉強量も大事ですが、体調と睡眠も同じくらい大事です。最後は体力勝負でもあります。
平常授業・講座・模試・過去問の優先順位
小6後半になると、マスターの平常授業と宿題、間違い直し、復習テスト、公開学力テスト、合否判定学力テスト、日曜志望校別特訓、学校別講座、冠模試、第一志望・併願・前受けの過去問、市販教材、そして年末からの直前特訓。全部あります。全部大事です。
しかし、全部を同じ重さでやる時間はありません。
浜学園の公式でも、日曜志望校別特訓は7月・8月期が基礎の充実、9月・10月期が応用力の錬成、11月・12月期が受験校の傾向と対策、という3期構成で入試日まで段階的に収斂させる講座と説明されています。塾側のカリキュラム自体が「後半は志望校へ絞っていく」設計になっているわけです。
固定の正解順位はありません。本人の状態と志望校で決まります。ただ、考え方の軸はあります。
平常授業と復習テストは土台です。ここが崩れたまま上に積んでも崩れます。次に、志望校との距離を測るもの、つまり過去問と志望校別の模試・講座。公開学力テストは大事ですが、小6後半は「全範囲の実力の定期観測」という位置づけに変わっていきます。
親は不安になると足したくなります。でも、足せば足すほど、復習時間は減ります。教材だけが増えて、復習時間が減っていきます。
本棚だけが賢くなっても、子どもの点数は上がりません。
9月以降にやるべきポイントは、別記事でも整理しています。
塾の宿題を絞る判断
小6後半は、宿題を全部同じ濃さでやるのが現実的でなくなってきます。真面目な子ほど全部やろうとして、過去問と睡眠が圧迫されます。
我が家で意識していた判断の軸を表にします。
| 課題 | 優先する理由 | 後回し・省略を検討する条件 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 授業で扱った重要問題 | 復習テストと入試の土台になる | 原則後回しにしない | 担当講師 |
| 志望校の頻出単元の宿題 | 本番の得点に直結する | 原則後回しにしない | 過去問の出題傾向 |
| あと一歩で正答できる問題 | 伸びしろが一番大きい | 原則後回しにしない | 復習ノート・模試答案 |
| 繰り返し出る基礎・計算 | 失点防止の効果が大きい | 原則後回しにしない | 日々の計算・復習テスト |
| 現志望校に出ない形式の難問 | ― | 過去問・復習時間を圧迫している時 | 講師に志望校との関係を相談 |
| 解説を写すだけになっている課題 | ― | 手が動いているだけで頭が動いていない時 | 本人の説明を聞く |
| 全部やると過去問が回らない量の宿題 | ― | 睡眠か過去問のどちらかが削れ始めた時 | 講師に優先順位を相談 |
大事なのは、無断で勝手に省略することを一律に勧めているわけではない、という点です。浜学園の宿題には意図があります。省略や軽量化を考える時は、担当の先生に「志望校を考えると、どれを優先すべきか」を相談するのが安全です。
先生に相談すると、だいたい優先順位を教えてくれます。全部やれと言われることもありますが、それはそれで一つの答えです。
過去問を始める前に確認すること
小6後半になると、過去問が本格化します。志望校との距離を最も具体的に測れるのは、やはり過去問です。
ただ、いきなり解き始める前に、確認しておきたいことがあります。
- 学校公式の最新の募集要項(科目、配点、試験時間、問題形式は年度で変わることがあります)
- 塾からの過去問の進め方の指示(浜学園は志望校別に指示が出ることが多いです)
- 実施時間を本番と同じにできる環境
- 採点を誰がどうやるか(親か、本人か、塾か)
- 本人の基礎がその学校の過去問に入れる状態か
募集要項は、必ず学校公式の最新版を確認してください。前年と同じとは限りません。また、過去問は正規に販売・配布されているものを使ってください。非公式な複製物や不適切な入手方法はおすすめしません。
過去問の開始時期・年度数・順番
「何月から始めるか」「何年分やるか」「何周するか」。ここは、一律に断定できません。
学校の位置づけ(第一志望か併願か前受けか)、難度、形式、配点、本人の得意不得意、残り期間、復習に使える時間、そして塾の指示で変わります。第一志望、併願、前受けを同じ方法で扱う必要もありません。
参考までに、我が家の当時の目安はこうでした。長男の時は、第一志望は8年分を目標にして、併願校は優先順位の高い学校から1〜3年分。週に1年分ペースで、塾のない土曜日を「過去問の日」にしていました。前受け校も、まったくやらないのではなく1年分だけはやりました。
これはあくまで当時のうちの例です。塾の過去問特訓が組まれている場合は、そちらが軸になります。次男の時は週1回の過去問特訓が入っていたので、家庭での進め方も長男の時とは変わりました。
長男の時の過去問の進め方は、こちらに詳しく書いています。
【中学受験の過去問】いつから・何年分・どう直す?3兄弟で分かった取り組み方
順番についても、古い年度から解くか、新しい年度を直前に残すか、家庭と塾で方針が分かれるところです。迷ったら、講師に志望校ごとの指示を確認するのが早いです。浜学園では、志望校によって過去問の難易度を段階分けした資料が配られることもあり、「絶対に取るべき問題」と「解けなくてよい問題」の目安がわかります。
過去問の実施・記録・解き直し
過去問は、解くことより、解いた後の方が大事です。
実施は、必ず本番と同じ試験時間を計って行います。時間が余っても終わりにせず、時間いっぱいまで見直しに使います。もうちょっとで解けそうだから延長、はなしです。本番では延長できません。
そして、記録を残します。
- 学校、年度、科目、得点
- 合格最低点との差(公式に確認できる場合。非公式の数値を公式の数値として扱わない)
- 時間が足りなかった問題、空欄
- 失点の中身(知識不足か、解法不足か、記述か、ミスか)
- 本人の手応えと、実際の得点のずれ
- 次に何をやるか
合格最低点や合格者平均点は、学校が公式に公表している場合とそうでない場合があります。公表されていない学校について、どこかで見かけた数値を確定値として扱うのは危険です。その場合は、公表されている情報と塾の指導を軸にします。
解き直しは、全部やろうとしないことです。全難問を直そうとすると、時間がいくらあっても足りません。優先するのは、正答できたはずの問題、志望校の頻出単元、時間配分で落とした問題、同じミスを繰り返している問題です。
テスト中の「これは解ける」「これは捨てる」という判断と、採点後の実際の難易度のずれを確認するのも効果があります。あと少しで解けた問題を捨てていなかったか、捨て問に時間を使っていなかったか。ここは過去問でしか鍛えられません。
できなかった問題集を作る
小6後半で有効だったことの一つが、できなかった問題集です。解けなかった模試の問題や宿題をコピーして、ノートに貼る。そして、朝やテスト前に解き直す。
非常に地味です。キラキラした勉強法ではありません。ただ、小6後半は、新しい問題を大量に解くことよりも、できなかった問題をできるようにすることが大事です。
同じミスをしない。同じ単元で落とさない。同じ解法でつまずかない。これが本番の得点に直結します。
ただし、できなかった問題集も作りすぎると破綻します。全部貼る、全部解き直す、全部管理する。これは無理です。辞書みたいな厚さになった時点で、誰も見返しません。
入れる問題は、正答率が高いのに落とした問題、志望校で出そうな問題、同じミスを繰り返す問題、解法を定着させたい問題に絞った方が現実的です。
過去問や公開学力テストのコピーには、A3プリンタがかなり役立ちます。我が家でも購入しています。
A3プリンタは、買う時は高く感じます。でも、直前期にコピーで毎回コンビニへ走ることを考えると、かなり便利です。直前期に、コンビニのコピー機へ毎回走る時間はもったいないです。
過去問の得点が低い時
過去問の点数が悪いと、親は焦ります。本当に焦ります。「このままで大丈夫なのか」と思います。
でも、過去問は悪い点数を見つけるためでもあります。本番前に弱点がわかるのは、むしろ良いことです。本番で初めて気づく方が怖いです。
大事なのは、「低い」の中身を分けることです。
全科目が低いのか、一科目だけ沈んでいるのか。算数なら後半の大問で崩れているのか。国語なら時間切れなのか。理科や社会なら知識がまだ入っていないだけなのか。年度によって差があるのか。模試の成績とずれているのか。
原因によって、やることが全然違います。知識不足なら詰めれば上がります。時間切れなら解く順番の練習です。全科目低いなら、その年度が難しかった可能性も、まだ始める時期が早かった可能性もあります。
一回の過去問の得点で、志望校の変更や不合格の確定を判断するのは早すぎます。判断に迷う時は、答案をそのまま講師に見せるのが一番です。浜学園の先生は、その学校の答案を大量に見てきています。
次男の過去問については、実際の記事もあります。
こういう記事は、正直、親としても書くのに勇気がいります。良い結果だけを並べるなら簡単です。でも、受験の現実は、良い時だけではありません。
そのたびに親が崩れていたら、子どもが困ります。親は結果を見る。原因を見る。次にやることを決める。そして引きずりすぎない。これが理想です。実際は難しいですが、ここを意識しておくだけでも違うと思います。
公開学力テスト・合否判定・冠模試の見方
小6後半は、模試も増えます。浜学園では、毎月の公開学力テストに加えて、合格可能性を判定する実力テスト(合否判定学力テスト)、灘中チャレンジテストなどの志望校別の模試(当時の名称です。最新の正式名称と日程は公式サイトで確認してください)、そして学校別プレ入試へと続いていきます。
模試で見るべきなのは、総合偏差値と判定だけではありません。
科目ごとの差、単元ごとの差、時間配分、空欄の場所、正答率の高い問題を落としていないか、本人の手応えと結果のずれ、過去問との一致・不一致。そして、一回の結果ではなく数回の推移です。
公開学力テストで良い偏差値でも、過去問が取れないことはあります。冠模試で良い判定でも、過去問で苦戦することもあります。逆もあります。テストごとに測っているものが違うからです。
一回の総合偏差値、順位、判定、クラス、講座資格を見すぎないことです。それらは目安であって、合否そのものではありません。
公開学力テストの構成や得点の考え方は、専門の記事に詳しく書いています。
志望校別講座・追加講座をどうするか
小6後半は、日曜志望校別特訓、学校別講座、最高レベル特訓、そして年末からの入試直前特訓と、講座が積み上がっていきます。講座の正式名称、対象、受講資格、実施時期は年度や教室で変わるので、最新は浜学園公式サイトか教室で確認してください。受講資格のある講座は、資格の見直しもあります。
講座を続けるか見直すかの判断軸は、シンプルです。
平常学習、講座の復習、過去問、睡眠、他の科目。これが全部保てているなら、続けて大丈夫です。
逆に、講座の宿題が未消化のまま溜まる、復習する時間が取れない、強い疲労が続く、他の科目が崩れ始めた。こうなっているなら、見直しのサインです。
そしてもう一つ。親が「資格を取れたから」「せっかく資格があるから」という理由だけで講座を増やしていないか、です。資格は本人の実力の証明ではありますが、資格講座を全部取ることと合格は別の話です。受けるだけで復習が回らないなら、得点にはつながりません。
迷ったら、講師に「この子の今の状態で、この講座は続けるべきですか」と率直に聞くのが良いと思います。
科目別に見る小6後半
算数は最後までミスを減らす
小6後半の算数で、最後まで効くのはミスを減らすことです。もちろん、難問への対応力も必要です。ただ、秋以降に偏差値を上げるという意味では、ミスを減らす効果は大きいです。
こちらの記事でも、秋から算数の偏差値を上げる方法として、ミスをゼロに近づけることを書いています。
秋以降は、新しい難問を増やすより、計算ミス、条件の読み落とし、問題文の勘違い、単位ミス、解く順番の失敗、見直し不足を減らす方が点につながることがあります。
過去問では、取る問題と捨てる問題の見極め、時間配分、途中式を残す習慣も見ます。年度によって難度に差がある学校も多いので、一年分の出来で一喜一憂しすぎないことです。
「わかっていたのに落とした」という失点は本当に痛いです。親も子どもも痛いです。だから、最後までミスを減らす意識は大事です。
国語は知識と時間配分で支える
小6後半の国語は、漢字、語彙、文法などの知識系と、読解の時間配分が軸になります。
読解力そのものを短期間で大きく伸ばすのは簡単ではありません。しかし、知識系はやれば点につながりやすいです。逆に、放置すると落とします。毎日少しずつ回すしかありません。寝る前10分、朝の5分、移動中。こういう時間で積めます。
読解は、根拠の探し方、選択肢の絞り方、記述の型、空欄にしない工夫、そして時間配分です。過去問では、志望校の文章との相性も見えてきます。時間内に終わらない学校なら、解く順番と捨てる判断の練習が必要です。
ただし、親が横でずっと詰問すると嫌がられます。「これは?」「じゃあこれは?」「なんで覚えてないの?」とやると、家庭内が尋問室みたいになります。知識は淡々と、できたら褒めて、間違えたら直すくらいが良いと思います。
理科・社会は単元差と形式を見る
理科と社会は、志望校の科目と配点をまず確認します。3科か4科か、理科の配点が高いのか低いのかで、かける時間が変わります。
理科は、単元ごとの得意不得意が出やすい科目です。知識問題は最後まで伸ばしやすい一方、図表の読み取り、実験考察、計算問題は演習が必要です。過去問で、志望校がどのタイプの出題か確認して、そこに時間を寄せます。
社会がある場合も同じです。知識の抜けは詰めれば埋まりますが、資料の読み取りや記述は形式に慣れる時間が要ります。
知識系は直前まで積めます。だからこそ、後回しにせず毎日少しずつ、です。
第一志望・併願・前受けの整理
小6後半は、受験する学校の全体像を早めに固める時期でもあります。
整理する項目は多いです。本人の希望と校風、通学のしやすさ、入試日と集合時刻、科目と配点、合格発表の日時と方法、入学手続きの期限、会場までの移動、宿泊の要否、連戦になる場合の体力、そして一つの結果が出た後の次の日程。
「前受けは必須」とか「偏差値をいくつ下げた学校を併願すべき」といった一律の正解はありません。家庭の考え方と本人の状態で決めることです。
ただ、前受けを受ける場合の実感としては、本番の空気を一度経験しておく意味は大きかったです。朝起きて、会場へ行って、親と別れて、試験を受ける。この一連の流れを本命の前に経験できます。長男の時は、前受け校もまったくの準備なしではなく、過去問を1年分だけやってから受けました。
長男の前受けの実際の様子は、こちらに書いています。
【中学受験の前受け校】受けるべき?選び方・メリットと北嶺、愛光の受験体験
併願と前受けは、軽く考えすぎても、重く受け止めすぎてもいけません。結果に振り回されず、次につなげるための設計です。
出願・移動・宿泊の事前設計
小6後半の親の実務で、意外と重いのが出願まわりです。
- 各校の募集要項の最新版(毎年変わる前提で確認)
- 出願期間と方法(Web出願の受付開始・締切日時)
- 写真、書類、調査書などの必要物と準備期間
- 試験会場の場所と、当日の交通手段
- 交通が乱れた場合の代替経路
- 遠方受験の場合の宿泊先
- 合格発表の日時・方法と、入学手続きの期限
- 当日の家族の役割分担(誰が付き添うか、下の子はどうするか)
出願の締切は待ってくれません。模試や過去問で頭がいっぱいの時期に締切が重なるので、11月頃にはカレンダーへ全部書き出しておくと安心です。
願書や調査書などの出願書類の準備と、小6秋の過去問との両立については、こちらの記事も参考になります。
なお、当日の持ち物リストや本人への声かけといった本番直前の実務は、この記事では扱いません。記事末で案内している直前期の記事にまとめています。
年末から直前期に向けて
小6後半から年末に入ると、いよいよ本番が近づいてきます。浜学園では冬期講習期間から入試直前特訓が始まり、年末年始もかなり忙しくなります。実施形態やコースは年度で変わるので、詳細は塾の案内で確認してください。
この時期の塾の予定については、こちらの記事に書いています。
冬休みという言葉はあります。ありますが、受験生にはあまり関係ありません。冬休みというより、冬特訓です。
睡眠・学校・体調管理
この時期こそ体調管理が大事です。インフルエンザ、コロナ、胃腸炎、ケガ。ここまで来て体調不良で崩れるのは、本当に避けたいです。
体調管理に一律の正解はありませんが、原則ははっきりしています。睡眠を削る前提の計画を立てないこと。食事を極端に変えないこと。感染症対策は、うがい手洗いなど公的機関が案内している基本を淡々と続けること。特定の食品やサプリで受験を乗り切る、といった話に飛びつかないことです。
学校を休むかどうかも、よく話題になります。ここも一律の正解はありません。家庭の方針、学校との関係、本人の気持ちで決めることです。休ませることを前提にしたり、休まないことを美徳にしたりせず、必要なら学校と相談してください。
体調を崩した時、特に受験校の入試当日に体調不良が重なりそうな時は、受験校の公式案内(別室受験や追試験の扱いなど、案内がある場合)を確認し、必要に応じて医療機関に相談してください。
親ができることは、勉強以外にもたくさんあります。食事、睡眠、感染対策、移動、持ち物、受験票。地味ですが、直前期の親の仕事は多いです。
親の声かけ
小6後半は、親の声かけの影響が大きくなる時期です。
過去問や判定の結果が出た直後に、長い説教をしないこと。これに尽きる場面が多いです。言いたくなる気持ちは、痛いほどわかります。でも、結果直後の長い話は、ほぼ入りません。
親の不安を、教材や講座や模試の追加に変換しないことも大事です。不安だから足す、は子どもの負担が増えるだけで、不安の解消にはなりません。
代わりにやることは、本人の困り事を具体的に聞くことです。「何が一番きつい?」「どの科目の何が間に合ってない?」と聞くと、意外と具体的な答えが返ってきます。そこから一緒に優先順位を考えます。
兄弟の比較も避けたいところです。我が家は3兄弟なので、これは常に自戒しています。上の子の時と比べたくなりますが、別の人間です。
偏差値帯ごとの小6後半戦略
偏差値50前後なら、最後まで基礎を捨てないことです。難問に手を出しすぎず、取れる問題を確実に取ります。志望校の過去問で、どこを取れば合格点に近づくのかを考えます。
偏差値55〜60なら、科目バランスが大事です。得意科目で稼ぎ、苦手科目で沈まない。過去問で、毎回同じ科目が足を引っ張っていないかを見ます。
偏差値60〜65なら、志望校別模試と過去問を重視します。公開学力テストの偏差値に安心しすぎず、志望校の形式で戦えるかを確認します。
偏差値65以上なら、最後は細かい1点の積み重ねです。冠模試の順位、過去問の合格最低点との差、各科目の安定感を見ながら、最後まで調整します。
ただし、上位層でも本番は別物です。模試で良くても、本番で何が起こるかわかりません。だからこそ、メンタルと体調管理が重要です。
こんな時どうする?状態別の考え方
宿題が回らない時。全部やろうとするのをやめて、講師に優先順位を相談します。削る許可をもらうと、親子とも気が楽になります。
講座の復習ができない時。講座を受けること自体が目的化していないか見直します。復習できない講座は、得点になりません。
過去問が取れない時。前述の通り、まず「低い」の中身を分けます。原因が見えれば、やることが決まります。
模試と過去問の結果がずれる時。測っているものが違うので、ずれること自体は普通です。志望校の合否に近いのは、志望校の形式に近い方です。
科目の差が大きい時。得意科目を維持しつつ、苦手科目は「志望校で最低限必要な点」を目標にします。苦手を得意にする時間は、もうあまりありません。
疲労が濃い時。まず寝かせます。勉強を1日休んで崩れる受験はありません。眠いまま3日続ける方が崩れます。
日程が過密な時。全部に全力を出せない前提で、力を入れる日と流す日を決めます。
親子で疲れてしまった時。距離を取るのも手です。声かけを減らす、送迎だけにする、勉強の管理を一時的に塾へ寄せる。家庭の空気は、得点に影響します。
我が家の小6後半
長男(2023年組)の小6後半は、秋から過去問を進め、土曜日を過去問の日にして回していました。前受けは北嶺と愛光を受け、前受け校も過去問を1年分やってから臨みました。本命前に本番の空気を経験できたのは、本人にも親にも大きかったです。
次男(2026年組)の小6後半は、前述の通りほぼ毎日塾の生活でした。マスター週3日に最レ算理、灘特訓、公開、合否判定、そして週1回の過去問特訓。その中で、できなかった問題集を作り、入れる問題を絞って回していました。2025年の灘中過去問の結果も記事にしています(上のリンクからどうぞ)。
ここで正直に書いておくと、次男は模試や講座の資格と、最終的な入試の結果が一致しませんでした。良い判定や過去問の得点が、そのまま本番の結果になるわけではありません。だからといって小6後半の取り組みが無駄だったとは思っていません。判定が良くても慢心しない、悪くても決めつけない。両方向に言えることだと、身をもって学びました。
三男(2028年組)は、現在小5で、野球と両立しながら公開学力テストを受けている段階です。小6後半はまだ経験していないので、ここに書けることはまだありません。経験したら、また正直に書きます。
本番直前前チェックリスト
小6後半から直前期に入るまでに、次のことは確認しておきたいです。
- 宿題の優先順位を講師と共有できている
- 講座の復習が回っている(回らない講座を放置していない)
- 過去問の実施・記録・解き直しの方法が決まっている
- 科目ごとの課題が言語化できている
- 併願・前受けを含めた日程表ができている
- 出願の締切をすべてカレンダーに書き出した
- 睡眠時間を削りすぎていない
- 本人が「今の自分の課題」を自分の言葉で説明できる
全部完璧にできる家庭は少ないと思います。我が家も完璧ではありません。でも、確認しておくだけで防げるミスはあります。
やらなくてよいこと
逆に、小6後半にやらなくてよいことも書いておきます。
全部の宿題を同じ濃さでやること。資格のある講座を全部取ること。模試や問題集を不安解消のために大量追加すること。全部の弱点を同時に直そうとすること。睡眠を削って勉強時間を作ること。
どれも、やった感は出ます。でも、本番の得点にはつながりにくいです。
親ができるのは、子どもが試験に集中できる環境を作ることです。本番で問題を解くのは子どもです。親は裏方です。裏方なのに、心臓だけは主役級にドキドキします。
よくある質問
宿題が終わりません。減らしていいですか?
無断で削るより、講師に優先順位を相談してください。志望校を伝えると、具体的に指示をもらえることが多いです。
講座の資格はあるけれど、疲れています。取るべきですか?
復習まで回せるかで判断してください。受けるだけの講座は得点になりません。迷ったら講師に率直に聞くのが良いです。
過去問はいつから、何年分やればいいですか?
一律の正解はありません。志望校の位置づけ、本人の状態、塾の指示で決めます。当時の我が家は第一志望8年分・併願1〜3年分を目安にしましたが、塾の過去問特訓がある場合はそちらが軸です。
過去問の点数が合格最低点に全然届きません。
一回の得点で決めつけず、まず失点の中身を分けてください。判断に迷えば答案を講師に見せるのが一番です。
模試の判定が悪化しました。志望校を変えるべきですか?
一回の判定では決められません。数回の推移と、過去問の手応えと、講師の意見を合わせて考えてください。
学校は休ませるべきですか?
一律の正解はありません。家庭の方針と本人の気持ちで決めて、必要なら学校と相談してください。
親は何を言えばいいですか?
結果直後の長い話は避けて、本人の困り事を具体的に聞いてください。不安を教材の追加に変換しないことです。
睡眠は削ってもいいですか?
おすすめしません。眠い状態の勉強と模試は効率が落ちます。小6後半は体力勝負でもあります。
まとめ
小6後半は、本当に大変です。塾は増え、宿題は増え、模試は増え、過去問は重くなり、親の不安も増えます。
でも、ここで大事なのは、やみくもに量を増やすことではありません。志望校に必要なものへ絞る。宿題は講師と相談して濃淡をつける。過去問は記録と解き直しまでやる。模試は一回の判定より推移と中身を見る。併願と出願を早めに固める。睡眠と体調を勉強と同じ優先度で守る。親は不安をぶつけすぎない。
これです。
受験は、最後まで何が起こるかわかりません。だからこそ、最後の1ミリまで諦めない。ただし、親が1ミリどころか10メートルくらい前のめりになると、子どもがしんどくなります。
親は支える。子どもが戦う。この距離感が大事です。
読んでいただけると、単純なので喜びます。



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