はじめに
今回は、中学受験の本番前から合格発表までに、親が何を意識すべきかをまとめたいと思います。
小6後半までは、まだ「勉強で何をするか」が中心です。もちろん直前期も勉強はありますが、本番が近づくにつれて、親の仕事は少し変わってきます。勉強を増やすことよりも、子どもが本番で力を出せる状態を作ることが大事になります。
受験票を確認する。持ち物を準備する。移動ルートを確認する。体調を崩さないようにする。前受け校や併願校の予定を整理する。試験後の声かけを考える。合格発表まで親が崩れない。
どれも地味です。非常に地味です。でも、この地味な部分が崩れると、本番に影響します。
親は問題を解けません。算数の大問を代わりに解くこともできませんし、国語の記述を代筆することもできません。それをやったら普通にアウトです。
だから親ができるのは、子どもが試験に集中できる環境を作ることです。
本番直前の準備については、こちらの記事にも書いています。
中学受験まであと10日|どこにも載っていない直前の準備あれこれ
この記事では、受験票や筆記用具のような一般的な持ち物だけでなく、雨で濡れた時の着替え、お腹の調子、腕時計に慣れることなど、直前期ならではの細かい準備について書いています。こういう部分は地味ですが、本番ではかなり大事です。
本番前10日からは、新しいことを増やしすぎない
本番前10日を切ると、できることはかなり限られてきます。ここで新しいことを大量に増やすより、これまでやってきたことを確認する方が大事です。
直前期にやることは、過去問のミス確認、できなかった問題集の解き直し、国語の語句・漢字・知識、理科の暗記事項、算数の典型問題、時間配分の確認、受験校ごとの持ち物、移動ルート、前受け校・併願校・午後校の予定、体調管理などです。
この時期に大事なのは、「不安だから増やす」ではなく、「本番で点につながるものを確認する」ことです。
新しい難問を解かせて、できなくて落ち込む。これは直前期にはあまり良くないと思います。もちろん、子どもによっては刺激になる場合もあるかもしれません。ただ、多くの場合、直前期に大事なのは、自信を削らないことです。
できる問題を確認する。これまで間違えた問題をもう一度解く。知識系を淡々と回す。当日の動きを整理する。直前期は派手さより安定です。
親としては何かしたくなりますが、ここで一番大事なのは、余計なことをしすぎないことかもしれません。これが難しいんですけどね。親は余計なことをしたくなる生き物です。
年末年始から本番までは、体調管理も勉強の一部
小6の年末から本番までは、塾の予定もかなり詰まります。次男の時の年末から本番までの塾の予定については、こちらの記事に書いています。
12月後半からは入試直前特訓などが始まり、大晦日や正月も志望校別の講座やプレ入試が入ってきます。冬休みという言葉はあります。ありますが、受験生にはあまり関係ありません。冬休みというより、冬特訓です。さらに言うと、冬耐久レースです。
ここで大事なのは、体調を崩さないことです。インフルエンザ、コロナ、胃腸炎、ケガ。ここまで来て体調不良で崩れるのは、本当に避けたいです。
もちろん、完全に防ぐことはできません。でも、できるだけリスクを減らすことはできます。睡眠を削りすぎない、食事を極端に変えない、人混みを避ける、手洗いを徹底する、移動ルートに余裕を持つ、前日に慌てて準備しない、親も体調を崩さない。このあたりは地味ですが、本当に大事です。
親が倒れると、家庭内がかなり大変になります。受験生本人だけでなく、親も体調管理が必要です。親が発熱して白目になっている場合ではありません。白目は成績表だけにしておきたいところです。
前受け校・併願校は、本番の流れを作る意味もある
関西の中学受験では、本命校の前に前受け校を受ける家庭も多いと思います。前受け校は、合格を取って安心する意味もありますが、本番の空気を経験する意味もあります。
朝起きる。会場へ向かう。受験生の列に並ぶ。親と別れる。実際に試験を受ける。合格発表を見る。これを一度経験しておくと、本命当日の動きが少し見えます。
前受け校については、実際に北嶺中学校と愛光中学校を受けた時の記事があります。
前受け校や併願校は、軽く考えすぎてもいけませんし、重く受け止めすぎてもいけません。「どうせ前受けだから」と油断すると危ないです。一方で、前受け校の結果に振り回されすぎるのも危険です。
大事なのは、次につなげることです。合格なら自信にする。不合格や手応えが悪い場合は、原因を見て、次の試験に切り替える。本命前に親が崩れると、子どもが困ります。親のメンタルも、併願戦略の一部です。たぶん。
本番前日の過ごし方
本番前日は、特別なことをしすぎない方がいいと思います。もちろん、塾の前日特訓がある場合もありますし、家庭によって過ごし方は違います。ただ、直前に新しい難問を大量に解いたり、苦手単元を詰め込みすぎたり、親が説教を始めたりするのは避けたいです。
前日に親が熱くなりすぎると、子どもは疲れます。「明日は大事なんだから」「絶対ミスしないで」「算数で落とさないで」「国語ちゃんと読んで」。言いたいです。とても言いたいです。
でも、たぶん子どもは全部わかっています。
前日にやるなら、確認中心です。受験票、筆記用具、時計、交通手段、集合時間、昼食や軽食、防寒具、予備のマスク、ハンカチ・ティッシュ、受験校ごとの注意事項。こういうものを淡々と確認します。
親の仕事は裏方です。受験票を忘れない。電車を間違えない。子どもに変なプレッシャーをかけない。これだけでも、かなり大事です。
本番当日の親の役割
本番当日は、親も緊張します。子どもが緊張するのは当然ですが、親もかなり緊張します。ただ、ここで親が崩れると、子どもが不安になります。
本番当日の記事はこちらです。
本番当日に親ができることは限られています。朝、いつも通り起こす。食事を用意する。持ち物を確認する。時間に余裕を持って出る。会場まで送り届ける。余計なことを言いすぎない。これだけです。
でも、この「これだけ」が難しいです。会場に向かう途中、親は何か言いたくなります。「落ち着いて」「見直して」「算数でミスしないで」「国語ちゃんと読んで」。言いたいです。
でも、試験直前に言っても、あまり意味はないかもしれません。むしろ、不安を増やす可能性もあります。だから、声かけは短くていいと思います。
「いつも通りでいい」「終わったら迎えに来る」「大丈夫、やってきたことを出しておいで」。このくらいで十分かもしれません。親の方が大丈夫ではないのですが。
試験後の声かけ
試験が終わって子どもが出てくる時、親は聞きたくなります。「どうだった?」と聞きたいです。猛烈に聞きたいです。でも、聞き方には注意が必要です。
本人が話したそうなら聞く。話したくなさそうなら無理に聞かない。次の試験がある場合、終わった試験の感触を引きずらせないことが大事です。
本命校の2日目についてはこちらの記事にも書いています。
中学受験は、1日で終わらないことが多いです。1日目の感触が悪くても、2日目、3日目を戦わなければいけません。
ここで親が「なんでできなかったの?」「そこ落としたらまずいじゃん」「昨日あれだけ言ったのに」と言ってしまうと、次に響きます。言いたくなる気持ちはわかります。でも、そこで親が感情をぶつけても、終わった試験の点数は変わりません。
大事なのは、次の試験に向かわせることです。本当に難しいです。親も人間ですから。でも、ここは親の踏ん張りどころだと思います。
うまくいっていない時の声かけ
試験後に子どもが落ち込んでいる時、どう声をかけるかは本当に難しいです。「気にしなくていいよ」だけでは軽すぎることがあります。かといって、「何やってるの」は当然よくありません。
うまくいっていない時の声かけについては、こちらの記事にも書いています。
子どもが落ち込んでいる時は、まず受け止めることが大事だと思います。「そうか、しんどかったな」「難しかったんやな」「でも、次があるから、そこに向けよう」。このくらいの声かけでも、子どもによっては十分です。
親が励ましたい気持ちはわかります。でも、励ましが長すぎると、説教になります。親の励ましと説教は、紙一重です。本人は励ましているつもりでも、子どもからすると「長い」です。
受験直前期や本番中は、短く、落ち着いて、次に向ける。これが大事だと思います。
合格発表までの時間
試験が終わってから合格発表までの時間は、独特です。勉強していた時とは違う緊張感があります。もう試験は終わっている。できることはない。でも、結果はまだ出ていない。この時間が、なかなかしんどいです。
本命校の合格発表についてはこちらに書いています。
合格発表前は、親も子どもも落ち着きません。親はスマホを見ます。何度も見ます。発表時間の前から見ます。まだ出ていないのに見ます。出ていないとわかっているのに、また見ます。もはや儀式です。
合格発表の瞬間は、本当に独特です。喜びもありますし、緊張もありますし、もし結果が思うようにならなかった時のことも考えます。
親として大事なのは、どちらの結果でも子どもを受け止める準備をしておくことだと思います。合格なら、まず喜ぶ。不合格なら、まず受け止める。言葉はその後でいいかもしれません。本当にその場になると、言葉が出ないこともあります。
そして、合格発表
合格発表の当日、親は落ち着きません。発表時間まで、意味もなく点数を予想したり、合格最低点との差を考えたり、何度もスマホやパソコンを見たりします。意味がないとわかっていてもやります。親ですから。
合格発表当日のリアルはこちらの記事にも書いています。
合格発表は、結果を見るだけの時間ではありません。数年間の伴走が一気に押し寄せてくる時間でもあります。子どもが頑張ってきた時間、親が白目になった時間、成績表を見て沈んだ時間、模試の結果で喜んだ時間。全部が一瞬でよみがえります。
大げさに聞こえるかもしれませんが、本当にそんな感じです。
合格発表後に考えること
合格発表が終わると、受験は一つの区切りを迎えます。ただ、合格したらすべて終わり、というわけではありません。
入学手続きがあります。進学先の準備があります。制服、通学、教材、入学前課題なども出てきます。そして、中学受験後の生活も始まります。
合格発表のその後については、こちらにも記事があります。
中学受験は、合格がゴールのように見えます。もちろん、受験としては大きなゴールです。でも、子どもの人生としては通過点です。
ここで燃え尽きすぎないことも大事だと思います。親も、しばらくは放心状態になるかもしれません。それは仕方ありません。数年間、ずっと伴走してきたのですから。
ただ、子どもにとっては中学校生活が始まります。受験が終わった後の方が長いです。ここも忘れないようにしたいです。
本番前から合格発表までのチェックリスト
最後に、直前期から合格発表までのチェックリストです。
- 受験票を確認した
- 筆記用具、時計、上履きなどを確認した
- 移動ルートを確認した
- 集合時間より余裕を持って動ける
- 前受け校・併願校・午後校の予定を整理した
- 本番前日に新しいことを増やしすぎない
- 試験後の声かけを考えている
- 1日目が悪くても2日目に切り替える準備がある
- 合格発表まで親が崩れないように意識している
- どの結果でも子どもを受け止める準備がある
全部できれば理想です。ただ、現実には親も緊張します。ミスもします。不安にもなります。
大事なのは、子どもに余計な不安を乗せすぎないことです。親の不安は、親が処理する。これが理想です。実際は難しいです。でも、理想として持っておくだけでも違うと思います。
まとめ
本番前から合格発表までは、親ができることが限られてくる時期です。勉強を教えるというより、子どもが本番で力を出せる環境を整えることが中心になります。
受験票を忘れない。電車を間違えない。体調を崩さない。余計なことを言いすぎない。試験後に責めない。次の試験に切り替える。合格発表まで崩れない。どれも地味です。でも、かなり大事です。
本番で問題を解くのは子どもです。親は祈る。待つ。余計なことを言いすぎない。これが難しいです。本当に難しいです。
親だけは不安を感じています笑、という状況にもなります。でも、子どもが試験会場へ向かう時、親ができるのは送り出すことです。
ここまで頑張ってきた子どもを信じる。そして、どんな結果でも受け止める。これが最後の親の仕事なのだと思います。
読んでいただけると、単純なので喜びます。そして、たぶんまた書きます。
受験は終わっても、親の学びは終わりません。できれば、もう少し楽な科目でお願いしたいですが。


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