はじめに
今回は、中学受験の本番前から合格発表までに、親が何を意識すべきかをまとめたいと思います。
小6後半、入試直前期に入る前までの過ごし方は、こちらの記事にまとめています。
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小6後半までは、まだ「勉強で何をするか」が中心です。もちろん直前期も勉強はありますが、本番が近づくにつれて、親の仕事は少し変わってきます。勉強を増やすことよりも、子どもが本番で力を出せる状態を作ることが大事になります。
先に結論をまとめます。
- 親が先にやるのは、励ましを演じることより、情報・持ち物・移動・期限を整えること
- 判断の基準は、学校公式の募集要項と当日案内
- 前日に新しい教材、新しい食事、新しい生活リズムを持ち込まない
- 試験直後は、親の知りたいことより、本人の状態と次の日程を優先する
- 答え合わせと反省会をするかは、午後校・翌日受験の有無で判断する
- 合格発表を誰がどう見るか、その後の役割を事前に決めておく
- 合格直後は、喜ぶことと手続きを分ける
- 不合格直後は、原因分析、正論、意味づけを急がない
- 親の感情を、子どもに処理させない
親は問題を解けません。算数の大問を代わりに解くこともできませんし、国語の記述を代筆することもできません。それをやったら普通にアウトです。
だから親ができるのは、子どもが試験に集中できる環境を作ることです。どれも地味です。非常に地味です。でも、この地味な部分が崩れると、本番に影響します。
本番前から発表後までのロードマップ
まず全体を時系列で整理します。
| 時期 | 親がやること |
|---|---|
| 2〜3週間前 | 募集要項の最終確認、受験票・書類、会場と経路の下見・確認、宿泊手配、役割分担 |
| 1週間前 | 持ち物リスト確定、前受け・併願含む日程表の共有、体調管理を最優先に切替 |
| 3日前 | 持ち物を実際に揃える、天気予報と交通の確認、発表・手続期限の再確認 |
| 前日 | 確認中心。新しいことを持ち込まない。持ち物最終チェック、早めの就寝 |
| 当日朝 | いつも通り起こす、食事、持ち物、時間に余裕を持って出発 |
| 移動 | 経路と代替経路、トイレの場所、余計なことを言いすぎない |
| 試験中 | 次の移動・書類・食事の確認、親自身の休息。掲示板やSNSを見続けない |
| 試験直後 | 本人の表情と体調を先に見る。次の日程があるなら切り替え優先 |
| 午後校・翌日 | 移動、昼食、休息、次の受験票と持ち物、前の試験の話をどこで切るか |
| 発表前 | 誰がどう見るか、ログイン情報、手続期限、連絡の順番を確認 |
| 発表直後 | 合格なら喜んでから手続き。不合格なら受け止めが先、言葉は後 |
| その日の夜・翌日 | 休息、塾への報告、次の受験または手続きへ |
一つずつ見ていきます。
学校別の情報管理表を作る
複数校を受ける場合、情報の混同が一番危険です。学校ごとに、次の項目を一覧にしておくと安心です。
| 項目 | 第一志望 | 併願校A | 併願校B | 前受け校 |
|---|---|---|---|---|
| 入試日 | ||||
| 集合時刻/開門時刻 | ||||
| 会場(本校か外部会場か) | ||||
| 持ち物の学校指定 | ||||
| 合格発表の日時・方法 | ||||
| 入学手続きの期限 | ||||
| 緊急連絡先(学校) |
集合時刻、持ち物の規定、発表方法、手続期限は、すべて学校ごとに違います。年度でも変わります。必ず受験年度の学校公式の募集要項と当日案内で確認してください。他の学校の情報や、過去年度の情報で判断しないことです。
家族の役割分担
直前期の親の実務は、量が多いです。一人で全部抱えると、抜けが出ます。担当と予備担当を決めておくと安心です。
| 実務 | 担当 | 予備担当 |
|---|---|---|
| 募集要項・出願書類の管理 | ||
| 受験票の管理 | ||
| 持ち物の準備・最終チェック | ||
| 交通手段・代替経路の確認 | ||
| 宿泊の手配 | ||
| 当日の食事・軽食 | ||
| 普段の薬・アレルギー等のいつもの対応 | ||
| きょうだいの予定の調整 | ||
| 合格発表の確認 | ||
| 入学金・手続き書類 | ||
| 辞退の連絡(必要な場合) | ||
| 塾への結果報告 |
我が家は3兄弟なので、受験生以外のきょうだいの予定調整も地味に大事でした。当日、下の子を誰が見るのか。ここが決まっていないと朝にバタつきます。
持ち物は「本人が持つ物」と「親が持つ物」に分ける
持ち物は、学校公式の指定が最優先です。持ち込み禁止の物や、時計の規定(計算機能付き不可など)は学校ごとに違うので、必ず各校の案内で確認してください。
そのうえで、本人が持つ物と親が持つ物を分けておくと、忘れ物に強くなります。
本人が持つ物の例:受験票、筆記用具(複数本)、学校が許可している定規・コンパス等、時計(規定に合うもの)、上履き(指定がある場合)、ハンカチ・ティッシュ、飲み物、軽食(休憩がある場合)、眼鏡、防寒具。
親が持つ物の例:受験票のコピーや控え、予備の筆記用具、現金と交通系IC、学校と塾の緊急連絡先、常備薬(普段使っているもの)、雨具、待ち時間用の防寒、モバイルバッテリー。
本番直前の細かい準備については、こちらの記事に書いています。雨で濡れた時の着替え、お腹の調子、腕時計に慣れることなど、どこにも載っていないような細かい話をまとめています。

交通・遅延・宿泊
移動は、通常経路と代替経路の両方を確認しておきます。会場の入口が複数ある学校もあるので、どこから入るかも見ておくと安心です。
悪天候や交通機関の遅延は、起こる時は起こります。遅延した場合の扱い(遅延証明で対応してもらえるか等)は学校によって違うので、事前に確認するか、当日は学校の指示に従ってください。焦って危険な移動をするのが一番いけません。
午後校がある日は、移動時間と昼食の場所も決めておきます。遠方受験で宿泊する場合は、朝食の時間、会場までの距離、荷物をどうするかまで含めて設計します。
緊急時の対応表
本番期間中に起こりうるトラブルを、先に整理しておきます。
| 状況 | 最初に確認する相手 | 確認すること | 避けること |
|---|---|---|---|
| 発熱・嘔吐・腹痛 | 受験校(と必要に応じて医療機関) | 別室受験・追試等の案内の有無、受診の要否 | 自己判断で無理に受験させること、市販薬を急に新しく試すこと |
| 持病・アレルギーの症状 | かかりつけ医の指示、受験校 | いつもの対応の継続、学校への申告方法 | 普段と違う対応を当日に始めること |
| けが | 受験校(と必要に応じて医療機関) | 受験可否と配慮の有無 | 痛みを我慢させて悪化させること |
| 受験票を忘れた・紛失 | 受験校の受付 | 当日の再発行・仮受付の可否 | 取りに戻って遅刻するか自己判断すること |
| 筆記具・時計を忘れた | 受験校の受付、売店・コンビニ | 貸出や購入の可否、規定に合うか | 規定外の時計を使わせること |
| 道に迷った | 学校の緊急連絡先 | 集合時刻への間に合わせ方 | 走らせて転倒・消耗させること |
| 交通遅延 | 交通機関の遅延証明、受験校 | 遅延時の学校の対応 | 危険な乗換や無理な移動 |
体調に関する判断を、この記事だけで完結させないでください。持病がある場合は事前にかかりつけ医と相談し、当日の体調不良は受験校の案内と医療機関への相談を基本にしてください。
2〜3週間前から前日まで
本番前10日を切ると、できることはかなり限られてきます。ここで新しいことを大量に増やすより、これまでやってきたことを確認する方が大事です。
直前期にやることは、過去問のミス確認、できなかった問題集の解き直し、国語の語句・漢字・知識、理科の暗記事項、算数の典型問題、時間配分の確認、そして上で整理した実務です。
この時期に大事なのは、「不安だから増やす」ではなく、「本番で点につながるものを確認する」ことです。新しい難問を解かせて、できなくて落ち込む。これは直前期にはあまり良くないと思います。直前期に大事なのは、自信を削らないことです。
そして、前日に全部を詰め込まないことです。持ち物も書類も、3日前までにほぼ終わらせておいて、前日は最終チェックだけにします。
前日の学習量や就寝時刻に、一律の正解はありません。ただ、前日に新しい問題、新しい食事、新しい薬やサプリ、普段と違う生活を始めるのはやめた方がいいです。いつも通りが一番です。
年末から本番までの塾の予定については、こちらの記事に書いています。12月後半からは入試直前特訓などが始まり、大晦日や正月も講座やプレ入試が入ってきます。冬休みという言葉はありますが、受験生にはあまり関係ありません。冬休みというより、冬特訓です。

親も体調管理が必要です。親が倒れると、家庭内がかなり大変になります。親が先に倒れている場合ではありません。
前日の声かけ
本番前日は、特別なことをしすぎない方がいいと思います。直前に新しい難問を大量に解いたり、苦手単元を詰め込みすぎたり、親が説教を始めたりするのは避けたいです。
前日に親が熱くなりすぎると、子どもは疲れます。「明日は大事なんだから」「絶対ミスしないで」「算数で落とさないで」。言いたくなるんです、親は。
でも、たぶん子どもは全部わかっています。
前日にやるなら、明日の手順の短い確認です。起きる時間、出る時間、持ち物、待ち合わせ。事務連絡くらいの温度でちょうどいいです。
子どもが不安を口にした時は、すぐに正論で消さないことです。「大丈夫大丈夫」で塞ぐより、「そうか、緊張するよな」と一度受け取る方が落ち着くことが多いです。逆に、話したくなさそうなら、無理に話させる必要もありません。
この一言を言えば正解、という魔法の言葉はありません。あったら、こちらが教えてほしいくらいです。子どもの性格によって、正解は変わります。
当日朝・移動・会場での別れ
当日朝から入室までを時系列にします。
| タイミング | やること・気をつけること |
|---|---|
| 起床 | いつも通りの時間に起こす。体調と顔色を見る |
| 朝食 | いつも通りのメニュー。新しい物を出さない |
| 服装 | 温度調節できる重ね着。学校の服装規定があれば従う |
| 出発前 | 持ち物の最終確認は親子で声に出して。受験票は本人と親で場所を共有 |
| 移動 | 余裕を持って出る。トイレの場所を頭に入れておく |
| 到着 | 開門・集合時刻に合わせる。早すぎて寒空で待つのも消耗します |
| 入室前 | 待ち合わせ場所と終了後の連絡方法を確認。声かけは短く |
朝にやらないことも決めておきます。新しい勉強を始めない。長い訓示をしない。判定や合格最低点の話を持ち出さない。朝の時間は、頭と体を起こすことに使います。
会場に着いたら、学校の指示に従って、待ち合わせと終了後の動きだけ確認して送り出します。声かけは短くていいと思います。「いつも通りでいい」「終わったら迎えに来る」「大丈夫、やってきたことを出しておいで」。このくらいで十分かもしれません。親の方が大丈夫ではないのですが。
一度送り出したら、何度も呼び止めないことです。言い忘れたことは、だいたい言わなくていいことです。
長男の時は、前受けの会場前で「灘を受験する賢い人もたくさん受けるから落ちるかも…」と急に弱気になりました。A判定が出ていても、会場を前にすると緊張するものです。その時は笑いながら大丈夫だと説明して送り出しました。前受けの実際の様子はこちらに書いています。


ちなみに長男は北嶺の理科の試験中、冊子の問題用紙を自分でバラバラにしてしまい、大問を探して2分ほどロスしています。本番では、予想もしないことが起こります。だからこそ、親が整えられる部分は先に整えておくわけです。
試験中の親の過ごし方
試験中、親にできることはありません。だからこそ、実務を進めます。
次の移動の確認、午後校や翌日の書類、昼食の手配、待ち合わせ場所の再確認、連絡手段の充電。そして、親自身の休息です。連戦になると、親の体力も削られます。
やらない方がいいのは、掲示板やSNSを見続けること、予想解答を探すこと、合格最低点の計算を始めることです。見ても得点は変わりませんし、不安が増えるだけです。
親の不安は、否定しなくていいです。不安なのは当然です。ただ、不安をそのまま抱えて座っているより、次の実務に変える方が楽です。手を動かしていると、少し落ち着きます。
本番当日の実際の様子は、こちらの記事に書いています。

試験直後の第一声
試験が終わって子どもが出てくる時、親は聞きたくなります。「どうだった?」と、猛烈に聞きたくなります。でも、聞き方には注意が必要です。
言葉より先に、表情と体調を見る。疲れ具合、顔色、歩き方。話を聞くのはその後で十分です。
本人のパターン別に考えます。
本人が話したそうな時は、聞き役に回ります。途中で採点を始めず、まず最後まで聞きます。
本人が話したくなさそうな時は、無理に聞きません。「おつかれ」「まず何か食べよう」で移動します。感想の聴取は義務ではありません。
失敗したと感じている時は、次の日程があるかで対応が変わります。ある場合は、引きずらせないことが最優先です。ない場合も、その場で原因分析を始めないことです。
成功したと感じている時は、一緒に喜びつつ、次の試験があるなら浮かれすぎないよう静かに整えます。手応えと結果がずれることもあるからです。
長男の場合、初戦の北嶺が終わって出てきた時の第一声は「まぁまぁできた。」でした。普通の顔で出てきました。拍子抜けするくらい普通でしたが、初戦がこの温度で終わったのは、その後を考えると良かったと思っています。
答え合わせ・反省会はするべきか
答え合わせを必ずする、絶対しない、の二択にしない方がいいです。状況で分かれます。
その日で受験が終わりの場合は、本人が話したければ付き合い、話したくなければ後日で構いません。
午後校がある場合は、原則やりません。前の試験の答え合わせは、午後の得点を1点も上げません。切り替えが最優先です。
翌日も受験がある場合は、判断が分かれます。同じ学校の2日目なら、出題傾向の確認に意味がある場合もあります。ただし、点数の答え合わせで自信を削るくらいなら、やらない方がいいです。
複数日程の途中で、結果が次の出願判断に影響する場合は、親と塾で情報を整理する必要があります。この場合も、本人の前で採点大会をする必要はありません。
長男の2日目については、ショックを引きずらない方法として記事に書いています。

午後校・連続受験の回し方
関西の中学受験は、連戦になりやすいです。午後校がある日は、実務が一気に増えます。
確認しておくのは、午前の試験の終了時刻と退出の流れ、待ち合わせ場所、午後校までの移動手段と所要時間、昼食をどこで取るか、トイレ、必要なら着替え、短くても休息の時間、次の学校の受験票と持ち物、そして体調です。
前の試験の話をどこで切るかも、親の仕事です。移動中ずっと午前の話をしていると、午後に響きます。昼食までは聞いて、食べ終わったら次の学校の話に切り替える、というように区切りを決めておくとやりやすいです。
次男の時の2日目・午後校の実際の様子は、こちらに書いています。

うまくいっていない時の声かけは、本当に難しいです。「気にしなくていいよ」だけでは軽すぎることがあります。かといって、「何やってるの」は当然よくありません。
子どもが落ち込んでいる時は、まず受け止めることが大事だと思います。「そうか、しんどかったな」「難しかったんやな」「でも、次があるから、そこに向けよう」。このくらいの声かけでも、子どもによっては十分です。
親が励ましたい気持ちはわかります。でも、励ましが長すぎると、説教になります。親の励ましと説教は、紙一重です。本人は励ましているつもりでも、子どもからすると「長い」です。
長男の時の実際の場面は、こちらの記事に書いています。

全受験が終わったら
すべての試験が終わった時、親はつい総括を始めたくなります。全体の手応えの聴取、自己採点、あの日のあの科目の振り返り。
急がなくていいです。本人の第一声を受け止めて、まず休ませます。数年間走ってきて、直前期は毎日塾で、連戦を終えたところです。総括も採点も意味づけも、逃げません。
やることは、休息、塾への受験報告(塾から報告方法の案内がある場合はそれに従う)、小学校への復帰の段取り、そして発表までの過ごし方をゆるく決めることくらいです。
発表までの時間は、独特です。もう試験は終わっている。できることはない。でも、結果はまだ出ていない。この時間が、なかなかしんどいです。
合格発表前に決めておくこと
合格発表は、見る前の準備で慌て方が全然変わります。
- 誰が最初に見るか(親が先に確認するか、本人と一緒に見るか)
- 本人はどうしたいか(一緒に見たいか、後で聞きたいか。本人の希望を確認する)
- Web発表のログイン情報(受験番号・パスワード)をすぐ出せる場所に
- 発表時刻と、回線が混み合う可能性
- 合格していた場合の入学手続きの期限と方法
- 次の受験が残っている場合の切り替え
- 親族・塾へ、誰がどの順番で連絡するか
- SNSやブログへの公開をするかどうか(する場合も本人の気持ちを最優先)
発表の瞬間を撮影したり、公開イベントのようにしたりするのは、本人が望んでいる場合だけです。結果はどちらもあり得ます。本人の希望より演出を優先しないことです。
発表前は、親も子どもも落ち着きません。親はスマホを何度も見ます。発表時間の前から、まだ出ていないとわかっているのに見ます。もはや儀式です。
長男の時の発表前の緊張感は、こちらに書いています。

合格だった時
合格の瞬間は、本当に独特です。数年間の伴走が一気に押し寄せてきます。子どもが頑張ってきた時間、親が白目になった時間、成績表を見て沈んだ時間、模試の結果で喜んだ時間。全部が一瞬でよみがえります。
まず、喜んでください。ここは全力でいいと思います。
ただ、本人の反応を待つことも大事です。飛び上がる子もいれば、静かに安心する子もいます。喜び方を強制する必要はありません。
そして、喜びと手続きは分けます。余韻の中で、次のことを淡々と確認します。入学手続きの期限と方法、入学金の納入、必要書類、残っている受験をどうするか、他校を辞退する場合の方法、塾への報告。特に手続期限は学校ごとに違い、短い学校もあります。合格通知と一緒に届く案内を最優先で確認してください。
合格直後にやらない方がいいこともあります。すぐに次の要求(「入学までにこれをやろう」)を始めること、親の苦労話、順位や点数の詮索。今日は今日で終わらせて大丈夫です。
次男の時の発表当日のことは、こちらに書いています。

不合格だった時
不合格の画面を見る瞬間は、親も言葉が出ないことがあります。
そこで急いで何かを言う必要はありません。「次がある」「縁がなかった」「良い経験になった」。どれも、直後に言われると入らない言葉です。正論も原因分析も、意味づけも、後でいいです。
本人の反応も分かれます。話す子、黙る子、泣く子、怒る子、平静に見える子。どの反応も普通のことです。どれであっても、まず受け止めます。平静に見える子が平気とは限らないので、その後の様子は静かに見ておきます。
次の受験や移動、手続きが残っている場合は、感情の処理と実務を親の中で分けます。本人の前では受け止めに徹して、日程と移動の管理は親が淡々と回す。ここが親の踏ん張りどころです。
我が家にも、この経験があります。次男は灘中に合格しませんでした。このことを、子どもの失敗として書くつもりも、美しい物語に仕立てるつもりもありません。事実として、悪い判定ではなかった受験でも、本番の結果は別だったということです。その後のことは、こちらの記事に書いています。

合否が混在した時・入学手続き
複数校を受けると、結果は混在します。
第一志望が不合格で併願校が合格の場合。本人の気持ちの整理と、併願校の手続期限が同時に走ります。期限は待ってくれないので、手続きは親が進めつつ、進学先の話を急ぎすぎないことです。結果直後に「この学校も良い学校だから」と説得を重ねるより、時間を置く方がうまくいくことが多いと思います。本人が進学先を嫌がる場合も、直後の説得合戦は避けて、少し落ち着いてから話す方が入ります。
複数校に合格した場合。進学先の決定と、他校の辞退が発生します。辞退の方法と期限も学校公式の案内で確認してください。入学金の扱い(返金の有無など)も学校ごとに違います。
発表前に別の学校の手続期限が来る場合もあります。日程表の段階で気づけるように、発表日と手続期限は必ずセットで一覧にしておいてください。
いずれの場合も、金額・期限・書類・辞退方法は、必ず受験年度の学校公式の最新案内で確認することです。
親の感情の置き場所
最後に、親自身の話です。
親が泣くこと自体は、悪いことではありません。数年間伴走してきたのですから、感情が動くのは当然です。ただ、その感情の処理を子どもにさせないことです。親が泣き崩れて、子どもが慰める側に回る。この構図だけは避けたいです。
費用、送迎、仕事の調整。親の犠牲は確かにありました。でも、それを結果の直後に持ち出さないことです。「これだけかけたのに」は、合格でも不合格でも、子どもに乗せる言葉ではないと思います。
合格は親の成功ではなく、不合格は親の敗北ではありません。受験したのは子どもです。
そして、SNSやブログに書く場合は、公開する前に本人の尊厳を確認してください。我が家もブログを書いている以上、ここは常に自分に向けている言葉です。
我が家の本番と発表
長男(2023年組)は、前受けの北嶺・愛光から本命の連戦、洛南戦、そして合格発表まで、当時の記録が残っています。会場前の弱気、試験中の問題用紙トラブル、うまくいかなかった日の声かけ、発表前の緊張感。それぞれ上でリンクした記事の通りです。状況があって、親が動いて、本人が反応して、次へ進む。振り返ると、その繰り返しでした。
次男(2026年組)は、連戦と午後校を経て、灘中は不合格、進学先が決まって新生活が始まっています。発表当日とその後のことは、上の2本の記事に書いた通りです。判定や資格と本番の結果は別物だと、家族で経験しました。
三男(2028年組)は、現在小5です。本番はまだ2年先で、今は野球と両立しながら公開学力テストを受けている段階です。本番の話として書けることは、まだありません。その時が来たら、また正直に書きます。
最終チェックリスト
- 全受験校の募集要項・当日案内の最新版を確認した
- 受験票が揃っていて、保管場所を親子で共有している
- 会場と経路、代替経路を確認した
- 学校・塾の緊急連絡先を控えた
- 持ち物を本人用・親用に分けて準備した
- 普段の薬・アレルギー対応を確認した
- 午後校・連戦の移動と昼食を決めた
- 発表の日時・方法・ログイン情報を確認した
- 全校の手続期限を発表日とセットで一覧にした
- 家族の役割分担を決めた
- SNS等への公開方針を本人と確認した
しなくてよいこと
前日に新しい教材を始めること。前日と当日朝の長い説教。朝の合格最低点の確認。試験中の掲示板・SNS監視。試験直後の全科目聴取。不合格直後の原因分析。
どれも、親の不安は少し紛れるかもしれません。でも、子どもの得点と気持ちには、プラスに働きません。親は余計なことをしたくなる生き物です。だからこそ、先に「しないこと」を決めておく価値があります。
よくある質問
前日はどのくらい勉強させるべきですか?
一律の正解はありません。確認中心で、新しいことを始めないのが原則です。就寝時刻も普段に近い形で。
前日に眠れないと言っています。
横になっているだけでも体は休まります。「眠れなくても大丈夫」と伝えて、無理に寝かせようと圧をかけない方がいいです。続く不眠や強い不調があれば、事前にかかりつけ医に相談してください。
持ち物で一番多い失敗は?
学校ごとの規定の見落としです。時計の規定、持ち込み禁止物、上履きの要否は学校ごとに必ず確認してください。
受験票を忘れたらどうすればいいですか?
まず受験校の受付に申し出てください。当日の対応方法は学校が案内してくれます。取りに戻る判断を自己判断でしないことです。
電車が止まったら?
遅延証明を確保しつつ、学校へ連絡して指示を仰いでください。危険な移動はしないことです。
試験直後、何と声をかければ?
まず表情と体調を見て、「おつかれ」から。感想は本人が話したければ聞く、で十分です。
答え合わせはすべきですか?
午後校・翌日受験があるなら原則しない。全部終わっているなら、本人のペースに合わせてください。
発表は本人と一緒に見るべきですか?
本人の希望を確認してください。一緒に見たい子も、後で聞きたい子もいます。
不合格の直後、何と言えば?
急いで言葉を探さなくて大丈夫です。まず受け止めて、正論と意味づけは後にしてください。
手続きで気をつけることは?
期限です。発表日と手続期限をセットで一覧にして、発表前から把握しておいてください。
当日に熱が出たら?
受験校に連絡して、別室受験や追試等の案内の有無を確認してください。受診の判断を含め、記事だけで判断せず、必要なら医療機関に相談を。
SNSに結果を書いてもいいですか?
書く前に、本人の気持ちを確認してください。合否どちらでも、主役は本人です。
まとめ
本番前から合格発表までは、親ができることが限られてくる時期です。勉強を教えるというより、子どもが本番で力を出せる環境を整えることが中心になります。
受験票を忘れない。電車を間違えない。体調を崩さない。余計なことを言いすぎない。試験後に責めない。次の試験に切り替える。合格発表まで崩れない。どれも地味です。でも、かなり大事です。
本番で問題を解くのは子どもです。親は祈る。待つ。余計なことを言いすぎない。これが難しいです。本当に難しいです。
子どもより親の方が不安、という状況にもなります(笑)。でも、子どもが試験会場へ向かう時、親ができるのは送り出すことです。
ここまで頑張ってきた子どもを信じる。そして、どんな結果でも受け止める。これが最後の親の仕事なのだと思います。
読んでいただけると、単純なので喜びます。
受験は終わっても、親の学びは終わりません。できれば、もう少し楽な科目でお願いしたいですが。



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