鉄緑会の高校3年間は、何をどの順番で進むのか。中学までと何が変わるのか。
長男はいま高1で、英語・数学・化学の3科目を受講しています。2026年度の高1保護者会の資料と、そこで聞いた話、長男の実際をもとにまとめました。高2・高3は長男がまだ経験していないので、資料をもとに書いています(経験したら追記します)。
先に結論
- 高1:英語・数学の基礎を固め切る学年。「基本を体系的に学ぶのは高1まで」
- 高2:英語・数学とも、東大・京大レベルを完成させる学年。理科の本格的な学習もここから
- 高3:英語・数学は入試演習だけ。空いた時間を国語・理科・社会に回す
- 理系は高1の1月から数IIIと、本格的な化学の授業。高3のクラスは高2の12月の校内模試で決まる
高校3年間の流れ
| 学年 | 英語 | 数学 | 理科 |
|---|---|---|---|
| 高1 | 英語発展講座 | 数学発展講座(数学I・A・II・B) 1月から数学基礎講座III(理系) | 高1化学クラス(4〜12月) 1月から化学 |
| 高2 | 英語実戦講座 | 数学実戦講座(数学I・A・II・B) 数学発展・実戦講座III(理系) | 化学 4月から物理・生物 |
| 高3 | 英語入試演習 | 数学入試演習(文系・理系に分かれる) | 物理・化学・生物 |
中学の間に、数学は数IIIと、数学Cのうち複素数平面・平面上の曲線を除く高校数学の全分野の基礎を、英語は高校英文法まで終えています。高校の3年間は、その上に入試の力を積む期間です。
高1:基礎を固め切る
英語:英語発展講座
英文解釈を通じて英語の仕組みを整理し直し、その論理の組み立てを軸に英作文を学びます。英文法の総復習をしながら、大学入試レベルの長文を読む力をつける1年です。授業中の演習は添削して返されます。
教材は、英文解釈、長文読解、英作文、英文法問題、リスニング、東大英単語熟語『鉄壁』、演習用の問題集。中学までの「英語基礎講座」1本から、一気に種類が増えます。
夏と冬の講習には「語彙力講座」があり、2期で熟語2,500項目を扱います。1日を5つのパートに分け、1パートを15分ほどで解説してすぐ確認テスト、1日の終わりに総復習テスト、という進め方です。
数学:数学発展講座
中学で学んだ数学I・A・II・Bの範囲を確認し直して基礎を徹底しつつ、高校数学を一通り知っているという利点を生かして、問題への一般的なアプローチを学びます。難関大の入試で必須になることも、この1年で押さえます。
保護者会では、「高1の数学は入試問題の7割ぐらい」「高1はどの分野も穴を作らない」という話がありました。資料にも、基本を体系的に学ぶのは高1までで、高1の終わりに基礎が完全かどうかで、高2以降の学習の効率に大きな差が出る、とあります。
数III(理系):1月から
理系志望者は、高1の1月から「数学基礎講座III」を、通常の数学クラスと並行して受けます。大阪校本部と京都教室で開講です。
- 高1の1〜3月と高2の4月:数III・数Cの基礎(極限・微分・積分・複素数平面・平面上の曲線)。基本的な計算ができるように
- 高2の5〜9月:数学発展講座III。微積分の「考え方」を中心に
- 高2の10〜3月:数学実戦講座III。入試問題を中心に、理系数学全体の演習
通常の数学クラスは、高2が終わるまで文系・理系に分かれず、文理共通の範囲を扱います。
化学:高1化学クラス(4〜12月)
高1の4〜12月は「化学入門講座」。週1回・2時間で、化学の全体の流れを大まかにつかむのが目的です。宿題や復習の負担は最小限に抑えられていて、応用的な演習はほとんど扱わず、テキストの解説が中心。1年で理論化学・有機化学の全体をひととおり見渡します。
1月からは、高2に向けた化学の授業が始まります。
高校から入会する人には「特別進度クラス」
数学には、4月時点で高校数学を習っていない人向けの特別進度クラスがあります。高1の1年間で、数学I・A・II・Bの基礎を学びます。
高2:東大・京大レベルを完成させる
英語:英語実戦講座
目標は「高2の終わりに、東大合格の英語力を身につける」こと。英文和訳も長文読解も、入試レベルからさらに上の教材を使います。
英作文は、入試の英作文問題に対応できる力をつける段階です。よく出るテーマについて「こういう場面ではこう言うのが普通」という表現をためていき、リスニング音声で対話を聞いてから同じテーマで論述型の英作文を書く、という訓練もあります。
数学:数学実戦講座
過去の入試問題を、教科書とは違う切り口で分類し直した問題を扱います。与えられた問題にどう取り組むかという実戦的な考え方を学び、東大・京大入試レベルの学力を完成させる1年です。
保護者会では、「高2は問題の切り崩し方を学ぶ」「高2の7〜9週は非常に難しい。SAの子でも1問も解けないことがある。10週以降はまし」という話がありました。
理科:物理・生物が始まる
高2の4月から、物理と生物が始まります(物理は大阪校本部と京都、生物は大阪校本部のみ)。化学はすでに、高1の4月から化学クラスで入門が始まり、1月から本格的な授業に入っています。基礎から始めて必要なことをひととおり学び、入試に向けて一部は発展的な内容も扱います。
国語・理科・社会は、高2から本格的に
鉄緑会の考え方は、高1はまず英語・数学の土台を固めることが最優先で、国語・理科・社会にじっくり取り組むのは高2から、というものです。その分、高1のうちに理科・社会の科目選択は考えておくように、と言われます。
資料にあった科目選択の考え方はこうです。
- 学校の選択科目と、受験で使う科目を結びつける必要はあまりない
- 基本は、興味の向く科目(=学習が早く進む科目)を選ぶ
- 理系の理科は、物理・化学の組み合わせが大半。生物系・医学系を目指すなら生物も選択肢。地学は選ぶ人が少なく参考書も少ないので、強い意志がなければ避けた方が無難
- 文系の地歴は、東大なら2科目、東大以外は1科目でもよい。ただし「地歴を1科目にする」は「東大を志望しない」ということなので、慎重に
高3:入試演習だけ
- 設置科目は、英語・理系数学/文系数学・物理・化学・生物。高3は全科目、大阪校本部のみ
- 授業は4月から12月までの9か月間。英語・数学は4月の最初から、実戦演習の形式
- 英語は、東大の過去問30年以上分を中心に、他大学の良問や鉄緑会の予想問題も使って、問題の形式ごとに徹底的に演習。家での英語の負担を減らして、国語・理科・社会に余力を回せるようにする
- 数学は文系・理系に分かれ、テスト演習と添削で答案作成の力と得点力を上げる
- 1月中旬の共通テストのあとに、各科目の直前講習。東大志望者には、2月上旬に鉄緑会が作った東大の予想問題で仕上げる「東大直前演習会」
高3のクラスは、高2の12月に行われる高2第2回の校内模試の成績を中心に決まります。この回が、通称「クリスマス模試」です。

我が家の高1
長男は中3の終わりに、「高校からは頑張るわ」「高1から鉄緑の化学にもいくわ」と自分から言い出しました。中学の3年間は「平均くらいでついていく」方針でしたが、高1は、できるだけ上を目指す方へシフトしていく時期だと考えています。科目も英語・数学・化学の3つになりました。
宿題は、1日1時間くらい。化学の宿題は、家でやっているのを見たことがありません。本人は「簡単」と言っていて、授業の前にささっと済ませている様子です。高1化学クラスは負担を抑えた設計なので、その通りなのだと思います。化学が本格的に難しくなるのは高2からではないか、と見ています。
一方で英語・数学は、高1の夏期講習の問題を横から見て、「高1でこんな問題を解くの?」と驚くほどでした。学校の定期テストには、範囲があっても実力テストのつもりで臨んでいます。
質問しない子は、講師に「声かけ」を頼める
資料には「理解できない部分を残さない」とあり、保護者会では「分からないところは先生に質問する」という話がありました。ただ、うちの子は自分からは質問しません。そう伝えると、講師の方から声をかけてくれるそうです。自分から聞けない子の親は、頼んでみる価値があります。
次に読む
高1の保護者会で何が話されたか。資料にしか載っていない合格実績の推移も含めた報告です。

このカリキュラムで、長男は高1の夏にどの位置にいたのか。中学3年間を「平均くらいで」通った結果です(会員記事)。

高校の授業料は、化学を取るかどうかで変わります。

中学3年間のカリキュラムはこちら。



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