中学受験ロードマップ完全版
時期ごとに親が迷うことと、我が家の答え
9年間の各時期に親が迷うことと、3兄弟で出した我が家の答えを1本にまとめました。長いので、目次から今の時期に飛んでも大丈夫です。
先に全体の地図だけ見たい方は、ロードマップ(地図)へどうぞ。
はじめに
我が家には3人の息子がいます。
長男:2023年組。公文はやらず、小2から浜学園。いまは高1で、鉄緑会(英語・数学)。
次男:2026年組。5歳から公文、新小4から浜学園。いまは中1で、鉄緑会(英語のみ)。
三男:2028年組。5歳から公文、新小4から浜学園。いまは小5で、現在進行形。
同じ家、同じ塾でも、3人とも道のりはまったく違いました。
この記事では、幼児期から中学受験後まで、それぞれの時期に親が迷うことと、我が家が出した答えを書いていきます。
答えは我が家の答えなので、そのまま当てはまるとは限りません。考える材料にしてもらえればと思います。
第1章 公文と幼児期(0歳〜小3の2月)
Q. 勉強する習慣は、いつから作ればいい?
小4から急には作れません。塾に入る前に作っておくのがおすすめです。
中学受験の本格的な勉強は、小4からで間に合います。ただ、机に向かう、鉛筆を正しく持つ、毎日少しずつやる、間違いを直す、という習慣は、小4になってから急には身につきません。
長男は公文をやらずに浜学園に入り、国語と文章題の読み取りでかなり苦戦しました。その経験があったので、次男と三男は「まず公文で読み書きと習慣を作ってから塾へ」と方針を変えています。
Q. 公文はいつまで続ける?
塾を始める小3の2月(新小4)でやめます。塾との併用はしません。
週3回の塾が始まると、公文を足す時間はありません。算数はG・H教材まで進めば中学受験の計算範囲をほぼ網羅しますし、浜学園には計算のテキストもあります。入塾までの目安は算数F教材です。
Q. 公文でなくても大丈夫?
親がつき添えるなら、市販の教材でもかまいません。
ただ、教材選びは難しく、親子が「先生と生徒」の関係になってぎくしゃくすることもあります。ハードルは高めです。公文に外注するのが一番楽だと思います。
Q. 公文を進めるコツは?
宿題を間違いなくやる習慣が、そのまま進度につながります。
5枚を一気に時間を計って解き、丸つけをします。間違いが5問を超えると次に進めないので、間違えた問題を紙に書き出して、公文に行く前にもう一度解かせていました。
ただ、公文の進度で地頭は測れません。進んでいるから賢い、遅いからだめ、という見方はしない方がいいと思います。
Q. 家のどこで勉強させる?
我が家はダイニングテーブルです。
親が一角に座って、最後の1人が終わるまで見届けます。1人が始めると、兄弟もつられて勉強を始めます。学習机は、ほぼ物置になっています。
Q. 公文以外に、幼児期にやってよかったことは?
理科につながる「好き」を増やしておくことです。
次男は、図鑑、サバイバルシリーズ、天体望遠鏡、虫の飼育で理科が好きになりました。塾の理科は、それとマスターだけで十分に戦えました。


この時期の記事を順番に読みたい方は、第一章|公文と幼児教育へどうぞ。
第2章 中学受験という選択(小2〜新小4)
Q. 中学受験をさせるかどうか、迷っています
一つの目標に向かって、親子で共同作業として取り組み、挑むのは良いことだと思います。ぜひ頑張ってほしいです。
(おまえもな笑)
Q. 向いている子、向いていない子はいる?
適性として大きいのは「処理速度」だと考えています。もちろん、それだけではありません。
読むのが遅い、書くのが遅い、見直しまでたどり着かない。こういう子は、中学受験の制限時間の中でかなり苦労します。産業医として、言語理解は高いのに処理速度が低い人が、仕事で行き詰まる例を見てきたことも、この考えの背景にあります。
Q. 塾はどこにする?
難関・最難関を狙うなら、合格者の多い大手です。関西なら、うちは浜学園です。
浜学園を選んだ一番の理由は、算数に強いことです。中学受験は算数で差がつきやすく、難関校になるほどその傾向は強くなります。
ぱぱりん理系マッチョとしては、算数に強いのはかなり大事です。
Q. 塾は「合う・合わない」で選ぶべき?
合う塾を探すより、塾に合わせに行く方がうまくいきます。
志望校の合格者が一番多い塾を選び、あとは子どもがその塾のやり方に慣れていくのを待つ。塾はドライなくらいでちょうどいいと思っています。
Q. いつから通う?
新小4(小3の2月)からで間に合います。
いまの塾のカリキュラムは、小4から始めて間に合うように組まれています。長男は小2から、次男と三男は新小4から通いました。小2から入って塾にはまる子も少なくありません。ただ、鉛筆の持ち方、集中する訓練、国語力については、次男と三男を見ていると公文に軍配が上がります。
Q. 入塾前に、何をしておけばいい?
小数・分数の四則演算までできること。文章を読んで式を作れること。
ここが入塾時にできていないと、塾の算数はかなり厳しくなります。浜学園の小3のテキストか、同じくらいの問題集で練習しておくと安心です。
Q. 習い事は続けていい?
続けながら受験することはできます。ただ、小6で受験を第一にするなら、全部やめるのが一番だと思います。
長男は水泳・英語・ピアノを、小4の後半に全部やめて塾に専念しました(英語は英検ゴールドまでやり切っています)。三男は少年野球を続けながら通っていて、平日の野球塾は小5でやめました。正解はなく、生き方の問題です。ただ、やめて受験に専念したときの伸びは、親としてはどうしても期待してしまいます。
Q. お金はどれくらいかかる?
塾代、講座代、テスト代、交通費、受験料と、いろいろかかります。学年が上がるほど講座が増え、小6は小4の倍以上になりました。3兄弟の実費と総額は別の記事にまとめています。



数字にすると、なかなかのホラーです。








塾選びの記事を順番に読みたい方は、第二章|中学受験という選択へ。
第3章 通塾と成績(小4〜小6)
入塾すると、毎月の公開学力テストで順位とクラスが決まります。ここから先は、子どもの位置によってやることがかなり変わります。
Q. 小4から全力で走らせるべき?
小4でピリピリしても意味がありません。焦って結果を求めず、基礎を固める時期です。
小4からガチガチにやると、小6で息切れします。長男も次男も、小4のときの志望校と小6の志望校は違いました。小6になるまでは、塾のない日は目一杯遊ばせていました。
一方で、小4は3年間で一番時間がある学年です。余力のある子が何かを足すなら、小4のうちです。
Q. 成績の位置によって、何が違う?
ボリュームゾーン(公開偏差値50前後)
目標は偏差値55を安定して取ることです。マスターのテーマ問題とB問題を確実に解けるようにします。志望校を超える難しい問題や講座には手を広げません。三男がここにいて、小5の7月にVクラスへ上がりました。
難関(偏差値55〜60)
最高レベル特訓算数は、受講資格(公開偏差値58以上)が取れたら受けます。マスターはC問題まで解きます。小5の長男がここで、偏差値58前後を行き来しながらSクラスとVクラスを往復していました。
最難関(偏差値60以上)
このレベルでは、自分から勉強する子がほとんどです。親が細かく管理する必要はありません。親の仕事は、体調管理、スケジュール管理、成績が悪かったときの分析と励ましです。次男がここにいました。
Q. 公開学力テストの点を上げるには?
マスターや最レの復習だけでは、公開の点はなかなか上がりません。公開の過去問を使います。
同じ月か次の月の過去問を、テスト前の週までに時間を計って解き、間違えたところを前日に復習します。算数は、大問1の計算は全問正解、大問2の小問は1〜2問のミスまで、大問3〜5は(1)を必ず取る。偏差値50を抜けたいなら、まず大問2までを固めるのが近道です。
それから、6年生になるまでに一度でいいので好成績を取らせてください。一度でも好成績を取ると自己肯定感が高まり、そこから子どもの取り組み方が変わります。
Q. 最レ算数はいつまで受ける?
志望校によります。
灘を受けるなら12月まで頑張るしかありません。灘以外の難関校なら、塾がやめ時を教えてくれます。長男は11月まで受けて、空いた時間を過去問に回しました。算数が難しくない学校が志望なら、早めに撤退して、マスターと志望校別特訓に絞るのもありです。
Q. 授業がよくわからないと言っていたら?
親が教えられるなら、怒らずに教えます。難しければ塾に相談します。
偏差値50前後の子は、授業の半分以上は理解できていない、ノートは写しているけれど頭に入っていない、と考えておいた方がいいです。三男も小4のころは「ノートを写しているだけ」でした。小5になって授業がわかるようになり、宿題も最後まで自分で解けるようになっています。
Q. 国語が苦手なときは?
語彙を増やすことと、苦手意識を植え付けないことです。
国語が苦手な子は、語彙が少ないことが多いです。英単語と同じで、マスターと語彙の勉強をしっかりやります。国語は3兄弟全員が苦しみました。精神年齢の成長を待つしかない部分もあります。だからこそ、「得意ではないけど、苦手でもない」と思わせておくのが大事です。次男に「国語が苦手だな」と口にしてしまったことは、今でも反省しています。
Q. ケアレスミスが減らないときは?
根性論ではなく、仕組みで減らします。
親が計算用紙を見て、どこでどう間違えたかを調べます。そのうえで、計算は大きく書く、ステップごとに見直す、ミスがあるものとして見直す、という決まりを作ります。トップ層との差は、結局のところ計算ミスをするかしないかだったりします。
Q. クラスが落ちたら、どう声をかける?
「なんで落ちたと思う?」と、本人に考えさせます。
長男は新小6のとき、VクラスからSクラスに落ちました。自分で理由を考えさせたら、1日2時間のゲーム時間を自分で減らしました。親がムキになると、子どもは余計にやらなくなります。発破は講師にかけてもらう方が効きます。
Q. 親は何をすればいい?
テストの結果に一喜一憂しないこと。感情を入れず、アナリストのように分析することです。
親が一喜一憂すると、それは子どもに伝染します。どの問題で、なぜ落としたのかを計算用紙まで見て、次の得点につながる助言をします。根拠のない「大丈夫」は言いません。
得点につながらない助言を続けると、子どもは親の言うことを聞かなくなります。逆に、言ったことが点数につながると、ちゃんと聞くようになります。
Q. 睡眠や遊びは、どこまで削る?
睡眠は削りません。遊びやゲームも、全部は禁止しません。
我が家は23時就寝、8時間睡眠を守りました。全部禁止では1年は乗り切れません。外遊びはストレス発散にも体力づくりにもなります。小6になると、週7日ずっと塾という週もあります。倒れてしまうくらいなら、学校を月1回程度休ませるのはありだと個人的には思っています。
Q. 塾のやり方に不満があるときは?
塾に文句は言わず、困ったことは塾に相談します。
塾のやり方に子どもが合っていないなら、それは子どもがまだ順応していないだけです。餅は餅屋で、親が自己流でコーディネートして失敗すると、子どもに恨まれます。浜学園には、無料で随時受けられる教育相談があります。










この時期の記事を順番に読みたい方は、第三章|通塾と成績の現実へ。
第4章 直前、そして本番(小6の秋〜1月)
Q. 小6の秋、どんな声をかける?
「あと〇か月しかない」ではなく、「あと〇か月で終わる」と言います。
根拠のない「大丈夫」は言いません。悪い結果のときは、解けるはずだった問題を実際に解かせて、「これが解けていたらこの点数だった。本番じゃなくてよかった」と具体的に励まします。
Q. 受験校はいつ決める?
最終決定は小6の11〜12月です。
志望校は最後まで悩みます。小5の後半から、受験日程のパターンを3つくらい考えておくと慌てません。
Q. 成績が届いていない。志望校は下げるべき?
ボリュームゾーンなら、ギリギリまで諦めなくていいと思います。
偏差値50前後の学校は典型問題が多いので、志望校向けの勉強をしていても、ランクを下げたときにそのまま使えます。難関・最難関は1ランク下げても難しい学校なので、ある程度の対策が要ります。どちらにしても、安全校を1〜2校確保しておくことが前提です。
正直なところ、小6でA・B判定が一度も出ていないと厳しいとは思います。それでも、諦めたらさらに成績が下がることもあるので、粘っていいと思います。
Q. 抑えの学校は受けるべき?
必ず受けます。
1校も受かったことがない、という経験は、その後の人生に影を落としかねません。
Q. 過去問は、いつから、何点を目指す?
目標は合格者平均です。早い時期なら合格最低点で十分です。
ボリュームゾーンは小6の9〜10月から、難関は志望校が絞れたら夏ごろから、最難関は小6の前半から少しずつ始めます。9月に合格最低点に大きく届かないのはよくあることです。12月になっても大きく届かないなら、そこで考え直す時期です。
Q. 前受け校は受けるべき?
受けるべきだと思います。
本命の前に一度、本番を経験しておけるからです。長男は北嶺と愛光を受けました。絶対に受かると思っていてもトラブルは起きますし、初めての本番では子どもも親も焦ります。
Q. 本番の間、親は何をする?
本番は、模試とも公開学力テストとも別物です。長男のときも次男のときも、親の方が緊張していました。直前の準備から合格発表の日までに親がやったことは、別の記事にまとめています。






次男の本番の4日間は、次男の軌跡ですべて読めます。
第5章 合格の、その先(中高一貫〜大学受験)
Q. 受験が終わったら、しばらく休ませていい?
全力疾走はしなくていいと思います。でも、歩くのはやめない。
0か100かにせず、勉強を生活から完全になくさないことです。長男の鉄緑会は、中1で1日30分、中2で45〜60分、中3で60分くらいの「ゆる鉄緑会」でした。
Q. 中1から鉄緑会に通うべき?
放っておくと勉強しない子なら、通う価値があります。自分で進められる子なら、中1からは必要ありません。
長男は、放っておくとまったく勉強しそうになかったので、中1から英語と数学で通わせました。次男は数学を自分で進められそうだったので、英語だけにしています。同じ家でも、子どもによって答えが変わります。
Q. 部活と両立できる?
できます。
長男は週6日の運動部と鉄緑会を、次男も週4日の運動部と鉄緑会を続けています。
Q. 中学受験の貯金は、何年持つ?
勉強の習慣を切らさなければ、貯金はだいぶ残ります。それどころか、複利のように膨らんでいきます。
継続は力なり、です。


中学受験後の記事を順番に読みたい方は、第四章|合格後〜大学受験へ。
まとめ|9年間で一番大事だったこと
公文、塾選び、公開学力テスト、本番、鉄緑会と、それぞれの時期に迷うことはたくさんありました。
3人分、9年間を振り返って一番大事だったことを一つ挙げるなら、
一緒にがんばるという、親の姿勢
だと思います。
中学受験は、親子の共同作業です。やり方は子どもによって違いましたが、そこだけは3人とも同じでした。
3兄弟それぞれの道のりを物語で読みたい方は、3兄弟の軌跡からどうぞ。











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