2027年入試、関西で受けられる学校が減る。洛星と白陵の日程変更で併願はどう変わるか

2027年度入試で、洛星が前期・後期をやめて連続2日制に、白陵が後期を4日目から3日目に前倒ししました。日程表の上では小さな変更ですが、関西の最難関・難関を狙う受験生にとっては「受けられる学校が減る」変更です。選択は慎重にならざるを得ないし、受験生も親も精神的なプレッシャーは増すと思います。

この記事は男子の受験を基準に書いています。女子の併願は学校も日程も別なので、別の記事で扱います。日程は各校が公表している2027年度募集要項をもとにしています(2026年10月時点)。出願前に必ず各校の公式サイトで最新の要項を確認してください。

目次

何が変わったのか

洛星は、2026年度まで前期(統一日1日目)と後期(1月22日)の2回入試でした。2027年度はA日程(1月16日・土)とB日程(1月17日・日)の連続2日制になり、両方受けるとB日程に10点加点されます。他校の結果を見てから受けに行ける「後期」が、なくなりました。

白陵は、前期が統一日1日目(1月16日)なのは変わらず、後期が1月20日(火)から1月18日(月)に動きました。前期を受けた人は後期に10点加点。ただし後期は若干名募集です。

2027年度の主な日程

1月16日(土)統一日1日目

  • 灘(1日目)、甲陽(1日目)
  • 須磨学園 第1回(午前)
  • 白陵 前期
  • 六甲 A日程
  • 高槻 A日程
  • 大阪星光
  • 洛星 A日程

1月17日(日)2日目

  • 灘(2日目)、甲陽(2日目)
  • 須磨学園 第2回(午前)・第3回(午後)
  • 清風南海 A入試(午前)
  • 西大和 本校入試(午後15:00〜)
  • 高槻 B日程(午後)
  • 洛星 B日程

1月18日(月)3日目

  • 東大寺学園
  • 洛南高附属
  • 白陵 後期
  • 神戸大学附属中等教育学校(午後・適性検査)

1月19日(火)4日目

  • 六甲 B日程
  • 清風南海 B入試(午前。A入試受験者は10点加点)

消えた「王道コース」

これまで最難関志望の子には、だいたい決まった併願の型がありました。

  • 灘 → 西大和 → 東大寺 or 洛南 → 六甲 or 白陵 → 洛星後期
  • 甲陽 → 西大和 or 須磨3回目 → 東大寺 or 洛南 → 六甲後期 or 白陵後期 → 洛星後期

この型の一番うしろに、洛星後期がいました。断っておくと、洛星後期もかなり難しい入試で、受ければ受かる学校ではありません。逃げ道とは決して言えない。合否は本当にわからない。それでも、最後まで受けられる希望として、そこにあった。関西全体で見て「最後の砦」として間違いのない存在でした。

その洛星が2日目に来てしまった。灘も甲陽も2日目まで試験がありますから、灘・甲陽志望の子は洛星をA日程もB日程も受けられません。砦がなくなった、というのはそういう意味です。

3つのレベル帯

ここから先は、住んでいる地域ごとに、学力の帯で分けて併願を考えていきます。帯は3つです。

  • 灘レベル:灘
  • 最難関レベル:甲陽・東大寺・洛南・洛星・大阪星光(このあたりが同じ帯)
  • 難関レベル:須磨学園・白陵・高槻(最近レベルが上がっている)・清風南海

どの地域にも、この3つの帯の子がいます。地域で変わるのは「どこまで遠征できるか」と「地元の抑えがどこか」です。

大阪組+兵庫東組(神戸以東・阪神間・大阪市内)

灘レベル

ここはそれほど悩まなくていいと思います。灘 → 西大和 → 東大寺 or 洛南。これで足ります。

最難関レベル

一番悩ましいのがここで、今回の変更で甲陽の受験は非常に難しい判断になりました。

余裕で甲陽が受かる子なら、甲陽 → 西大和 or 須磨3回目 → 東大寺 or 洛南 → 六甲後期、で組めます。東大寺・洛南の日は神戸大附属が午後にあるので、こちらを選ぶ手もあります。東大寺との両立は時間的に無理ですが、洛南なら、試験が終わってから車で飛ばす、あるいは新幹線で新神戸まで出て車で学校へ向かう、という移動を組めば間に合う可能性はあります。

問題は甲陽のB〜C判定の子です。甲陽は2日制なので、甲陽を選んだ時点で、

  • 須磨学園の1回目・2回目は受けられず、一番難しい3回目しか残らない
  • 白陵の前期も受けられないので、後期に加点なしで挑むことになる
  • その白陵後期は、東大寺・洛南と同じ日
  • 清風南海もA入試が2日目なので受けられず、4日目のB入試に加点なしで挑むことになる

と、選択肢が次々に狭まります。甲陽に挑むか、挑まずに安全を取るか。これまでは、挑んでだめでも最後に洛星後期という希望が残っていました。受かるかどうかは本当にわからなくても、受けられる学校があるのとないのとでは、挑むときの気持ちがまるで違う。2027年からは、その希望なしで決断することになります。

正直に言うと、ここは悩みまくるところです。わが家の三男が、まさにこの帯にいます。甲陽は憧れ。でも手堅く行くなら、白陵の前期・後期をすべて受ける、あるいは須磨学園の1〜3回目をすべて受けて、加点を取りにいく。白陵は前期を受ければ後期に10点、須磨は3回連続で3回目に10点。1点2点で合否が分かれる世界で、この10点は大きい。憧れも、手堅さも、どちらも魅力的で、どちらかに決めきれないまま秋が過ぎていきます。

三男が今どの位置にいて、どう悩んでいるかは、成績記録の部屋の三男の記録に月ごとに書いています。

大阪星光が本命の子も同じ悩みを抱えます。星光は統一日1日目にあるので、星光を受けると甲陽・須磨1回目・白陵前期が受けられません。須磨の2回目・3回目は受けられますが、1回目からの連続加点は取れない。白陵は後期だけになるので加点なし。星光を本命にすると兵庫側の抑えが薄くなりますが、大阪側では2日目に清風南海A、4日目にBを受けて加点を取る組み方ができます。

難関レベル

この帯は、どの学校も複数回入試で加点があるので、「どこで加点を取りにいくか」を先に決めると並びが決まります。

  • 須磨学園:1回目(1日目午前)→2回目(2日目午前)→3回目(2日目午後)。3回連続で3回目に10点
  • 白陵:前期(1日目)→後期(3日目)。前期を受ければ後期に10点
  • 六甲:A(1日目)→B(4日目)。Aで不合格ならBに10点
  • 清風南海:A(2日目午前)→B(4日目午前)。A受験者はBに10点
  • 高槻:A(1日目)→B(2日目午後)

1日目は須磨1回目・白陵前期・六甲A・高槻Aが全部重なるので、ここで本命を一つ選ぶことになります。4日目も六甲Bと清風南海Bが重なります。

たとえば須磨本命なら、須磨1〜3回目(3回目に加点)→3日目に白陵後期(加点なし)→4日目に六甲B、という並びは十分あり得ます。ただ、須磨・白陵・六甲・高槻はどこも似たようなレベルなので、この並びだけだと全部落ちることもあり得る。もう1段落とした学校、たとえば夙川・淳心・清風・同志社香里・桐蔭あたりも、並びに入れておくことを検討してほしいと思います。

兵庫西組(明石・加古川・姫路など)

灘レベル

神戸以西の子は、灘に落ちたときに洛南へ新幹線か新快速で通うことを許容できるかどうかで分かれます。許容できるなら、灘 → 西大和 → 東大寺 or 洛南で大阪・兵庫東と同じ。許容できなければ、灘 → 須磨3回目(2日目午後。灘の2日目は昼すぎに終わります)→ 洛南(新幹線)あるいは白陵後期、という並びになります。灘が2日目まであるので、地元の白陵前期は受けられません。白陵は後期のみ、加点なし。

最難関レベル

この地域で一番重い判断になります。甲陽を受けると、1日目・2日目が埋まり、地元の白陵前期が消えます。残るのは3日目の白陵後期(加点なし・若干名)と東大寺・洛南(遠征)、4日目の六甲B。

甲陽をあきらめて白陵前期・後期で加点を取りにいくか、甲陽に挑んで抑えを薄くするか。大阪・兵庫東の最難関レベルと同じ構図ですが、西の子は東大寺・洛南が遠い分、受けられる学校がさらに少ない。憧れの甲陽か、手堅く白陵・須磨で固めて加点か。ここは本当に難しい。

難関レベル

1日目を白陵前期にするか、須磨1回目にするか。どちらかを選ぶことになります。白陵前期と須磨1回目は同じ1日目なので、両方の加点は取れません。1日目を白陵前期にするなら、2日目に須磨2回目・3回目(加点なし)、3日目に白陵後期(加点あり)、4日目に六甲B。1日目を須磨1回目にするなら、須磨は3回目で加点、白陵は後期のみ加点なし。ここでも、1段落とした学校を並びに入れておく話は同じです。

京都組

灘レベル

灘 → 西大和 → 東大寺 or 洛南。灘が2日目まであるので、洛星はA・Bとも受けられません。京都の子にとっても、洛星が「灘に落ちたときの受け皿」でなくなったことになります。

最難関レベル

京都の子にとっての最大の変化は、洛星が「最後の砦」から「1日目・2日目に受ける本命」に変わったことです。洛星本命なら、洛星A → 洛星B(10点加点)→ 3日目に洛南、が自然な並びになります。甲陽・星光との併願はできなくなりました(1日目が重なるため)。東大寺本命なら、1日目・2日目に洛星A・Bを置いて3日目に東大寺、という組み方ができます。京都から甲陽まで遠征する家庭は、少ないと思います。

難関レベル

高槻A(1日目)→B(2日目午後)が京都から通える範囲の軸になります。1日目を洛星Aにして挑戦、2日目に高槻B、3日目に洛南、という組み方も可能です。須磨・白陵・清風南海は京都からは遠征になります。

大学附属も候補に入ります。同志社は1日目の1回入試、立命館は前期(1日目)・後期(2日目)、同志社香里は前期(1日目)・後期(3日目)です。どれも1日目に試験があるので、高槻A・洛星Aとは同時には受けられません。1日目に何を置くかで、この帯の並びはほぼ決まります。

奈良組

灘レベル

灘 → 西大和 → 東大寺。東大寺と洛南は同じ日なので、奈良の子は東大寺を取るのが自然です。

最難関レベル

東大寺・西大和が本命なら、1日目と2日目午前が空きます。甲陽(2日間)か洛星A・B(加点あり)を1日目・2日目に置いて挑戦し、2日目午後に西大和、3日目に東大寺。今回の変更で影響が一番小さいのはこの地域のこの帯です。

難関レベル

本命が3日目の東大寺なら、2日目午前に清風南海A→4日目にB(加点あり)を組み込めます。1日目は高槻A。奈良の子が兵庫の須磨・白陵まで受けに来ることは少ないでしょう。兵庫まで出るとしても六甲(A1日目・B4日目、Aで不合格ならBに加点)だと思います。

さいごに

この日程変更で、受験者数は各学校でかなり分散されると思います。挑戦するか、安全思考か。子どもの実力と本番での精神力、各家庭の考え方、地理(=通学時間)が日程と複雑に絡み合うので、併願校を決めるのは本当に大変だと思います。

筆者の予想としては、甲陽の受験者数は減るのではないかと思っています。2日制で、灘や須磨と被り、さらに白陵の選択肢も狭まる。結果として、甲陽から撤退する決断も多いのではないか。はたして2027年はどうなるでしょうか。

だからこそ、志望校の並びは早めに塾と相談し、秋のうちに複数のパターンを持っておいてほしいと思います。11〜12月の最終決定で慌てないために。

次男のときに、秋から12月にかけて受験校をどう決めていったかは、次男の記録(最難関に挑んだ全記録)に残しています。

次に読む

偏差値55前後の子の併願日程を、三男を例に考えた記事です。この記事の難関レベルより、もう少し下の帯から見た話になります。

小6の秋から年末にかけて、親が何を決めるか。受験校を最終的に決める11〜12月の考え方も、ここに書いています。

この記事では外した前受け校の話です。受けるべきか、北嶺・愛光を受けたときの体験とあわせて書いています。

浜学園の公開偏差値表です。お子さんが3つのレベル帯のどこにいるか、照らし合わせたいときに。

住んでいる地域で併願をどう組むかを書いた記事です。神戸以西の家庭が「灘に落ちたら洛南に通えるか」で悩む話は、ここが元になっています。

三男(2028年組)の記録の入口です。この記事の最難関レベルで悩んでいる、現在進行形の記録です。

次男(2026年組)の記録の入口です。最難関に挑んだ小4から本番までを、月ごとに残しています。

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この記事を書いた人

⭐︎中規模病院で勤務医をしています。
⭐︎子供は男の子が3人いて、遊び、ふざけ、いたずらでカオスな毎日を送っています。
⭐︎子どもの中学受験を通じて、子育てや受験に関しての情報発信を行なっています。
⭐︎好きな教科:算数、理科、数学、物理、化学とゴリゴリな理系マッチョです。

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