今回は、中学受験本番が差し迫った小6秋から偏差値を上げる3つの方法を解説します。
算数は、もっとも受験の合否のカギを握る教科と言っても過言ではありません。
別記事でも解説しましたが、算数は国語よりも得意不得意の差が大きく点数で反映されます。
国語は合格者と受験者の平均点の幅は狭いですが、算数は合格者と受験者の平均点の幅が大きくなります。
すなわち、国語が得意でも算数が苦手だと合格者と差が開きやすいということになりますね。
そのため、国語よりも算数が合否のカギとなっています。
では、算数の得点力をアップさせる方法はどうしたらよいでしょうか。
過去記事で説明していますが、「好きこそものの上手なれ」とも言いますように「算数を好きになる」ということに尽きます。
別記事で、算数を好きになる方法について解説していますので、参考にしてください。
この記事でも解説していますが、「好きになる」には「小さいころからの習慣づけ」に依存します。
「は?だったら、小6の秋から算数を好きになるなんて無理だろ」ってご批判が聞こえてきます。
小6秋から「算数を嫌いから好き」になるのは、難しいですが「得点できるようになる」ことは可能です。
ずっと嫌いだった算数を「突然に好きになる」方法なんてありません。
ただ、嫌いでも「得点できる」ようになることは可能です。
それでは、小6秋から算数の偏差値を上げる方法を説明したと思います。
計算問題をミスらない
「計算問題をミスらない」というのは、算数が苦手なお子さんにとっては「計算問題すら恐怖」であり得ます。
算数が苦手なお子さんの心理状況は、
他でなかなか得点できないから、計算問題をミスると絶対に落ちる
とか、
計算が得意じゃないから、きれいな答えじゃないとすごく不安
などなど、テスト中に不安が尽きません。
テストという緊張感とともに、計算問題を落としたら落ちるという大きなプレッシャーがかかっているので算数におけるパフォーマンスはより一層落ちてしまいます。
難関校にもなると、計算問題も複雑で、答えもきれいな数字ではなく、分数で非常に汚い答えだったりします。
大人でも「これで合ってるのか不安」という答えが多いです。
算数が苦手な子にとって、計算問題をミスなくこなすということ自体が非常に大変です。
計算問題は、「合っているか」「合っていないか」だけの問題なので、部分点は一切なく失点するとかなり痛いです。
では、どうやって今から計算問題で得点すべきでしょうか?
解説していきましょう。
計算問題でミスをしない方法
小6の秋から計算問題で失点をしない方法です。
もう時間がないので、以下のように効率的に勉強していくのが有効です。
志望校の過去問の計算問題を解きます。最低8年間は解きましょう。
問題をコピーし、復習ノートに貼り付けて繰り返し復習できるようにします。
塾から配布される計算問題集から抜粋して毎日解くようにします。
その時、2問で5分程度の時間制限を設けます。
間違えたら、明日復習してから、新しい2問を解くようにします。
100日も切ると焦ってしまいますが、計算力は焦っても近道はないので「問題に最後まで慣れていく」しかありません。
練習もしていないのに、本番で得点はできません。でも、練習時間に多くの時間はさけないので、過去問を中心に計算問題を解いていく練習をします。
いろいろな問題を解いている時間はありません。
効率よく得点するには、
過去問の計算問題をひたすら解く。そして、類似問題を問題集からピックアップして解く。
に限ります。
類似問題のピックアップはお子さんに任せるのではなく、親御さんが毎日選んであげましょう。
今日はこれを解こうかな?明日はこれにしよう
などと、お子さんが問題選びをやっていては時間がいくらあっても足りません。
お子さんが適切な問題を選択できるかどうかも不明です。
塾から計算問題集が配布されていることも多いと思います。
ただ、それらを全部解く時間もない場合は、
親が協力して、「解くべき問題」をピックアップしてスケジュールしてあげる
ことをしましょう。
そして、大事なのは「復習」です。
翌日新しい問題をやる前に、間違った問題を復習する。
間違えっぱなしにせずに常に克服してから前に進むことが大事です。
答えを見てわかったつもりになっていて、翌日解いてみると解けないということは度々あります。
このようにやっていくと、毎日2問×100日=200問することになるので、算数は嫌いでも計算問題に自信はついてきます。
あと100日でもコツコツ毎日やることが大事。効率よく、過去問および類似問題を中心に。
ちなみに、類似問題を探すには、「計算問題の特訓」という問題集がおすすめです。
浜学園でも使用している問題集です。
レベル別に分類されており、計算問題だけでなく小問題も掲載されています。
大問の(1)は落とさないようにする
中学受験の算数は、大問が5~6問で構成されています。
その1問ごとに(1)(2)(3)という具合にステップアップさせるように問題が設定されています。
重要なことですが、
大問の1問目は解くようにする
ということが合格点を取るには非常に重要です。
大問の1問目は、わりと得点しやすいです。これらを落とさないようにするだけでも、50点は取れるようになります。
大問の1問目の特徴として
✅ 簡単な問題であることが多い
✅ 2問目以降のヒントになっていることが多い
が挙げられます。
問題文が長くても、1問目は非常に簡単であったりします。
ありがちなのは、大問5とか6など最後のほうの問題をするころには時間が足りなくて、簡単な1問目を落としてしまうということです。
得点が伸びない子の特徴としては、
✅問題全体の優先順位をつけるのが難しい
✅順番に解いていってしまい解けない問題に時間を費やしてしまう
✅最後の問題にたどり着いたころには、時間切れで得点できる問題を落としてしまう
ということがあります。
では、どのようにして大問の最初の問題を得点することができるのでしょうか?
解説していきます。
大問の最初の設問を落とさない方法
小6秋から大問すべてを完投する実力をつけていくのは非常に困難です。
割り切って、「得点できる問題を逃さない」という視点に切り替えるほうが受験に合格しやすくなることは言うまでもありません。
最初の2分くらいですべての設問をさっと見ます。
計算問題は1番目にして、次に得意な分野からやっていくようにしましょう。
どのような順番であれ、回答欄が埋まっていくと気持ちが落ち着きます。
算数が苦手な子は、初見で複雑な問題だと解く前から心の中で白旗を上げてしまいます。
でも、時間制限のない環境ではすっと解けちゃったりします。
特に最初の設問は拍子抜けするほど簡単なことがあるので、まずは最初の設問をあきらめずに解くという「気持ち」が大事です。
いまから、すべての分野で深く学習して習得することは非常に困難になってきます。
いかに、今まで学習してきたことを得点につなげられるかどうかが非常に大事です。
そのためにも、まず問題用紙が配られたら、いきなり解き始めるのではなく2分くらい使って「解く順番」を決めることが大事です。
得意な分野から解いていって、解答欄が埋まってくると心が落ち着いてきます。
1番が終わったら2番、3番と順番に解いていって、2番が苦手分野だったりすると、「時間は経過しても解答欄が空白だらけ」という事態に陥ります。
時間は経過しても、解答欄が埋まらないと焦ってしまい、のちのちの問題に悪影響を及ぼしてしまいます。
大問2にさっそく躓いてしまい10分経過しても計算問題しか解けていない…(焦りが生じる)
➡大問2がよくわからないから次の大問3に移ろう…(焦りが増大)
➡あれ…大問3…似たような問題を解いたことがあるけど思い出せない(焦りの結果が悪影響)
テスト中に「解けない!やばい!」という焦りが生じるとテストという時間が限られた中で立て直しは難しいです。
順番は関係なく、解けそうな問題から解いていって解答欄を埋めて落ち着くということが大事です。
宿題をやるときも、大問3~5題をまとめて時間を計ってやってみることが有効です。
限られた時間で、解く順番を決める練習です。
宿題を1問1問やっては答え合わせをするのではなく、まとめてやって優先順位を決めるという練習が非常に有効です。
常に本番のような形式でやると時間を有効活用できますね。
次に、解答の順番を決めても、大問の最初の1問目は必ず解こうとする努力は必要です。
残り100日、問題をみたら最初の1問目は必ず解いてみて、できれば正解まで頑張ることが大事になってきます。
「最初の設問」は解けることが多いという経験を残り100日でも積んでいくと、本番で間違いなくプラスに働きます。
もはや心理的な影響が大きいので、「最初の設問は俺(私)は解ける」というセルフマインドコントロールが有効です。
たとえ正解にたどり着けなくても、問題用紙に書かれている「途中経過」を採点官が見てくれて部分点を得られることもあります。
✅ 残り100日、大問を解くときは最初の設問を解き切る練習が大事。
✅ 宿題を1問1問解くのではなく、3~5題をまとめてやって優先順位を決めていく練習が必要。
✅ そうすることで、「一問目は必ず解けるんだ」というセルフマインドコントロールをしていく。
親が力の限りアシストしてあげましょう
中学受験、残り3ヶ月は総力戦です。
効率よく学習できるように、できる限りアシストしてあげましょう。
親子で歪みあったり、批判しあったりしている時間はありません。
子供が気持ちよく問題に取り組めるようにアシストしていくのがよいです。
甘やかしたくないという気持ちはわかりますが、不合格になると努力、費用、時間など全てが水の泡になります。
ここは心を仏にしてアシスト、サポートしていくしかありません。
どのようにサポートしたらいいでしょうか?
解説していきます。
一切のことをスケジュールする
今日はこの問題をする、明日はこの過去問をするといった具合に、細かくスケジュールしてあげます。
無理な計画は行けませんが、お子さんができる範囲でセッティングするのがよいでしょう。
スケジュールしておくと、「次は何をやろう」などと考える時間が減ります。
スケジュールして勉強させる習慣がついてないと最初はペースがわからず辛いかもしれませんが、根気良く続けていくことが大事です。
今からスケジュール通りに進める習慣をつけるなんて難しいと思っている親御さんも多いかもしれません。
ですが、今までは受験に身が入らなかったお子さんも、さすがに残り100日も切ってくると否が応でも「やらなきゃいけないモード」になっています。
ただ、どうやって勉強を進めたらいいのかわからないのでアシストしてあげるとよいです。
上でも記載したように、問題をどれを解くのか細かいところまで指定したほうがよいです。
できれば時間も測ってあげましょう。
スケジュールの立て方は別記事も参照ください。
間違いノートを作成する
間違いノートを作成していくことは非常に大事です。
これも子どもがやっていたら日が暮れるので親御さんがやってあげないといけません。
私の家の場合は、上の様に無地のルーズリーフに問題をコピーしたものを貼っています。
裏には答えと解説を貼っています。
このようにしていると、
「あぁ、親も頑張ってくれている」
と、感じて復習していくようになります。
敏腕の「秘書」になったつもりで100日間を乗り切りましょう。
いかに気持ちよく勉強をさせていくかが大事になってきます。
合格してから厳しくしてしまいましょう
相撲部屋のように、入るまでは優しく接し、入ってからは厳しくしちゃうでいきましょう。
まとめ
小6の秋から偏差値を上げる方法を解説しました。
のこり100日を切っています。もうお子さんと衝突している場合ではありません。
親御さんも日々のストレスでお子さんをぶん殴ってやりたくなる気持ちもわかります。
ただ、ここで衝突してしまうとラピュタの「バルス」のごとく崩壊してしまいます。
合格するまでの辛抱です。
親子で一緒に同じ目標で頑張る機会ってもう多くはないです。
そんな刹那の時間を楽しむ気持ちで乗り切りましょう。
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