今回は中学受験までの費用をどのように工面したらいいのか解説します。
以前の記事にも書きましたが、中学受験の塾費用はかなり高額です。
小学校2年生から小学校6年生6月までの塾にかかった費用をより詳細により赤裸々に記載した記事はこちらになります。
学年ごとにどれくらい必要だったのか、かなり具体的に書いていますのでご参考ください。
私の長男が小学校2年生から小学校6年生(夏時点)までに支払った塾の費用は、
合計270万円
です。
これは、塾の授業料、特別講座の費用、テスト代やテキスト代など「塾に払った費用すべて」となります。
なお、6年生の7月以降の塾費用は含まれていませんし、塾の交通費や飲食代などは含まれていません。
では、どのようにしてこの費用を工面したらいいでしょうか?
その方法を解説していきたいと思います。
✅ 具体的な塾の費用
✅ 塾の費用を工面する方法
✅ 中学受験後の費用をどうするか
? 中学受験を考えているすべての親御さん
? 中学受験をさせたいが費用が気になる親御さん
? 中学受験の費用が準備できないと考える親御さん
? 他の家庭の教育に興味がある親御さん
塾の費用や月謝はどれくらい必要か?
モデルケースを挙げて考えていきましょう。
塾に何年生から通わすべきか、それまでに学習系の習い事は必要かなど様々なパターンがあると思います。
私の家では、
長男?小学校2年生から浜学園に通塾
次男と三男?小学校3年生までは公文式、4年生から浜学園に通塾(予定)
です。
低学年から「進学塾に通う」のがいいのか、低学年は「公文式でよい」のかいろいろ議論があるところですが、
低学年は「公文式」で4年生から「進学塾」
がベターかと考えます。
なぜそのように考えるのかは、過去記事に記載していますので参考にしていただければ幸いです。
今回は、以下の2パターンでそれぞれどれくらい費用がかかるのか検討します。
① 2年生から進学塾(浜学園)に通った場合
② 3年生まで公文式で4年生以降は進学塾(浜学園)に通った場合
ちなみに、小学校5年生や6年生から進学塾に通ったケースも考えられますが、基本的にお勧めしません。
理由は、小学校4年生から塾に通っていた子供はカリキュラムがだいぶ進んでいて、小学校5年生からの場合、2年間でその差を挽回するのはかなり大変だからです。
最初からかなりの差が開いていると精神的にきついです。
精神力が強い、地頭が非常に良いケースは小学校高学年からの通塾で成功するケースもあると思いますが、塾に入る前にある程度の訓練はしておく必要があるでしょう。
小学校2年生から浜学園に通った場合の費用
以前の記事にも書きましたが、小学校2年生から6年生終了時までの塾にかかる費用は、
350万円
くらいになるでしょう。
ちなみに、小学校1年生までは家庭学習のみで、費用がかかる塾や勉強教室には通っていないことが前提となります。
小学校2年生から6年生までの5年間のトータルではありますが、1年間70万円かかるわけではなく、学年が上がるにつれて費用は雪だるま式に増大します。
大体、以下のようなイメージをしていただければよいと思います。
✓小学2年生:月3万円 算数と国語の2教科
✓小学3年生:月3万円 算数と国語の2教科
✓小学4年生:月5万円 算数、国語、理科の3教科と最高レベル特訓算数(WEB)
✓小学5年生:月7万円 算数2コマ、国語、理科の3教科と最高レベル特訓算数
✓小学6年生:月10万円 算数2コマ、国語、理科の3教科と最高レベル特訓算数および理科
これらを合わせると、トータルの費用が350万円くらいになります。
灘中を目指すのであれば、さらに灘中専用の特別授業も加わりますのでプラス50万円は見ておいたほうがいいでしょう。
さらに、これは塾に払う費用だけですので、電車代、食事代(弁当など)は含まれません。
なんだかんだトータルすると400万円はかかりそうですね。
特に小学校6年生は、受験する中学校の数だけ受験料などもかかりますから、小学校6年生だけで200万円近くかかる可能性も十分あり得ます。
小学校4年生から浜学園に通った場合の費用
私の次男の場合を想定しましょう。
次男は、現在小学校3年生ですが、
✓幼稚園年長から小学校3年生までは公文式
✓小学校4年生から浜学園
と考えています。
公文式の費用は、
算数と国語の2教科、週2回で約15,000円/月
となります。
ですから、年中から小学校3年生までの5年間で
15,000円×12か月×5年間=900,000円
かかったことになります。
公文は自習メインなのですが、意外と高いんですよね
小学校4年生から浜学園に通いますので、
✓小学4年生:月5万円 算数、国語、理科の3教科と最高レベル特訓算数(WEB)
✓小学5年生:月7万円 算数2コマ、国語、理科の3教科と最高レベル特訓算数
✓小学6年生:月10万円 算数2コマ、国語、理科の3教科と最高レベル特訓算数および理科
となります。
ですから、小学校4年生から6年生までに必要な費用は、
260万円
が必要です。
以上から、合計すると、
年中から小学校3年生まで公文式、小学校4年生から浜学園に通った場合は、合計で350万円
となります。
ん? 小学校2年生から浜学園に通った場合と変わりないやん
そうなんです、年少から公文式に通った場合という条件ですが、低学年から浜学園に通った場合と費用はほぼ変わりないのです。
中学受験にかかる費用は350万円
以上から、中学受験にかかる費用は、
350万円
と想定していればよいでしょう。
もちろん、どのレベルの中学校を目指すかで費用は多少変わってくるでしょう。
一般的に、中学校の難易度が上がれば上がるほど、塾の費用は高くなります。
灘中学を目指す場合は、小学校低学年から「灘特訓」なる特別授業がプラスアルファで加わります。
特に「灘中学」は、ほかの難関校とも格が違うので、専門的な講座が開設されプラスで授業料が必要となります。
プラスで費用を追加しても受かるかどうかわからないのが怖いですね。
注意点は、
小学校6年生時は、200万円ちかく必要
ということです。
5年生まではなんとかなるという感じだと、6年生のときに大変になります。
もはやこの時点でめまいがして読みたくなくなっている人も多いと思います。
安心してください、私も書きながら吐き気がしています。
と、冗談はさておき、このような莫大な費用をどのように工面すればよいでしょうか?
一緒に方法を考えてみましょう。
塾の費用を捻出する方法
では、どうやって塾の費用350万円もの費用を工面するのでしょうか?
準備していないと、いきなりお子さんが「中学受験したい」と言われたときに対応できません。
私が小学生のとき、中学受験する同級生も何人かいましたが、「大変そうだなぁ」とは思うものの受験するという考えには至りませんでした。
そもそも私の両親は、「中学受験」という考えが皆無でしたし、その子供である私自身も中学受験したいとは思いませんでした。
ただ、大人になった今、「中学受験する」か「しないか」と問われたら、
『中学受験する』を選択すると思います。
やはり、最大の目標の一つである「大学受験」に非常に有利ですので、私立中学高校のアドバンテージがあるかないかで「運命」も大きく変わります。
荒れ果てた公立中学、環境の悪い公立高校に通ってみてわかったのですが、『公立』は本人のやる気以前に環境が悪すぎます。
チャンスとやる気があれば「中学受験」は、できればトライすべきことだと思います。
そもそも公立中学や高校の環境を整えるべきだと思いますが…。
では、莫大な塾の費用にどのように対応するか考えていきたいと思います。
とにかく稼ぐ
当たり前ですが、とにかく稼ぐことが一つの方法です。
祖父母からの援助を見越せない場合は、親がとにかく稼ぐしか手段がありません。
当たり前ですが、どうやって稼ぐか?が問題です。
一馬力と二馬力(共働き)で大きくことなりますね。
そして、お子さんの人数でもだいぶ変わってきます。
どれくらい稼ぐ必要があるのか考えてみましょう。
貯蓄を取り崩さずに費用をまかなう場合
5年間で350万円必要なので、単純に平均すると、
1年間で70万円、月6万円
が必要になります。
お子さんが一人の場合、月6万円であればなんとかなるご家庭も多いと思います。
ただ、二人になると、単純に2倍になるので月12万円が必要になります。かなりきついですよね。
兄弟姉妹割引っていうのが、ほぼ「ない」と思っていただければよいです。
生活費、住居費(住宅ローン)など支払ってから、月12万円を払うのは至難の業です。
貯蓄も必要ですから、お子さんが2人いて、どちらも中学受験を検討している場合はそれなりの覚悟が必要となってきます。
生活費10万円、家賃(住宅ローン)8万円と仮定すると、
✅月6万円の塾費用?手取り24万円
✅月12万円の塾費用?手取り30万円
が最低必要となります。
現実的には、生活費10万円、家賃(住宅ローン)8万円以外にも、親自身の小遣い、衣料費、偶発的な必要経費など様々にかかりますから、もっと手取りが必要になるでしょう。
二馬力すなわち共働きの場合を想定すると、一馬力よりもだいぶ楽でしょう。
夫が年収500万円、妻が年収300万円の共働きを想定します。
妻の手取りは約240万円くらいになりますので、妻の手取りをまるまる教育費に充てると考えるとクリアできます。
一馬力よりも二馬力のほうが世帯年収が同じでも、二馬力のほうが税金が低いのでいろいろと対応可能です。
ただし、注意点があります。
二馬力のほうが収入面は安定し塾費用は工面可能ですが、「子供と接する時間が減少する」というリスクも考えておく必要があるでしょう。
小学生は精神的に未熟ですので、かなりサポートしてあげる必要があります。
✅宿題の進行状況
✅苦手分野の復習
✅塾のテキストやプリントの整理
✅弁当などの準備
✅健康や精神面での配慮
などが必要になります。
共働きで疲れている中、なかなかこれらの面倒を見てあげるのはつらいことだと思います。
共働きの場合、どのように子供をサポートするか予め計画してから中学受験に臨むとよいでしょう。
塾任せにしていて、まったく成績が上がらないということはよくあることです。
そこで、塾のせいにしたり、子供のせいにしたりすると、それまでにかかった費用が無駄になるだけでなく、家庭の雰囲気も悪くなってしまいます。
中学受験をさせるかどうか検討する際に、まずは「費用だけでなく精神面でもどのようにお子さんをサポートしていけるか」を十分に検討しましょう。
親がいかにサポートできるかも受験の合否をわける大きな要素です。
仕事が忙しく、あまりに放置気味になりそうなのであれば、資金的な余裕があっても塾に通い始める前に十分に検討したほうが良いでしょう。
貯蓄をしていく場合
あまり費用が掛からない幼児期から貯蓄をしていくのも一つの手段だと思います。
ただ、銀行預金しても利率が悪すぎて貯まりませんので、投資をしていくことが前提となります。
特に、2023年までジュニアNISAが年間80万円まで可能で、さらに取り崩しも非課税で可能ですから投資商品を間違わなければ費用として使える可能性は高いでしょう。
例えば、2022年に生まれたお子さんに対して、2022年と2023年にジュニアNISAに満額80万円/年を投資したと考えましょう。
オルカンやS&P500のインデックス投資信託がベターかと思います。
オルカンやS&P500など優秀なインデックスファンドにジュニアNISAを利用して160万円を10年間放置したケースを考えましょう。
上記のように(想定内で行けば)、10歳時点で160万円が260万円になっている(可能性もある)。
これはあくまでも年利5%で増えた場合を想定していますので、上記の「260万円」を上回るケースや下回るケースどちらも想定されます。
優秀なインデックスを指標とした投資信託は、投資期間が長ければ長いほどプラスになりますので、できればお子さんが小さいうちから準備しておくと有利なのは間違いないです。
優秀なインデックスであれば、15年間放置すると必ずプラスになったというデータがあります。
あくまでも過去のデータで、どの15年を切り取ってもプラスになったというデータなので未来を予測するものではありませんが、非常に参考になるデータであることは間違いありません。
また、ジュニアNISAが廃止されたあとに、未成年でも積み立てNISAができるようになることが検討されています。
未成年でもNISAを活用できるようになれば、さらなるアップを目指せます。
いろいろな制度を活用するためにも、元手がないと投資できませんので、
できればお子さんが小さいときから、NISAを始めて備える
ことが肝心かと思います。
NISAを活用してのインデックス投資は時間がかかります。
いざお子さんが大きくなってからでは、遅いので注意しましょう。
大きな注意点は、
優秀なインデックス投資ではなく、ギャンブル的な株や投資信託に手を出すことは決してやってはいけない
ことです。
月5万円を稼ぐ副業を習得する
副業が話題になっていますが、月5万円稼ぎだす副業を習得するとかなり楽になります。
✅ブログ
✅せどり
✅Webライター
✅ハンドメイド
✅プログラミング
などなど様々な副業がいろんなサイトで紹介されています。
ただ、
どれも結構大変です。楽して稼げる方法はありませんが、トライすることは大事です。
私自身、このようにブログを書いています。
ただ、私はあまり収益を目的とせず、情報発信を目的としているため稼げていませんが、ブログもうまくやれば月5万円を得られる可能性はあります。
ですが、月5万円は相当な努力が必要です。
ここでも注意点がありますが、
情報商材には気をつけろ!
ということです。
「情報商材」とは、「〇〇万円を払ったら楽して稼げる情報を売ること」を指します。
楽して稼げる方法なんてないので、これらの「情報商材」は信じないようにしましょう。
私のおすすめは、「リベラルアーツ大学」で紹介されている「お金の大学」という書籍です。
書籍だと1500円ですが、電子書籍でも購入可能です。 AMAZONのkindle unlimitedでは無料で読めます。
書籍はしんどいという場合でも、Youtubeでわかりやすく解説されています。
インデックス投資も含めて優良級の動画が無料で視聴できます。
非常にお勧めですので是非視聴してみてください。
中学受験が終わったら中学と高校の学費もかかることを忘れてはいけない
あたりまえですが、中学受験に無事合格できたら、今度は、中学と高校の学費も考えておかなくてはいけません。
私立中学と高校に通った場合の概算費用に関して以前にブログにしています。
受験の塾以上に費用がかかるのは間違いないです。
ちなみに中学と高校は私立に通って、大学は国公立の医学部に通えるパターンは以下のようになります。
幼稚園と小学校は公立でそれぞれ649,088円と1,926,809円。
中学校と高校は私立でそれぞれ4,217,172円と2,904,230円。
国公立医学部は6年間で約3,500,000円+一人暮らし費用。
合計で1,300万円+大学での一人暮らし費用となり
日本政策金融公庫の令和元年度「教育費負担の実態調査結果」によると、一人暮らしの仕送りは平均で年間102万円と報告されています。
私立中学と私立高校で700万円ちょっとはかかります。
月10万円と考えていたら良いでしょう。
どれくらいかかるのか、長期的な目線で計画を練っていく必要がありますね。
大学が国公立に行けると一気に元を取り戻せます。
特に、国公立の医学部は、6年間の合計で400万円未満ですから、私立の医学部はもちろん、私立の医学部以外より安くなる可能性すらあります。
大学は国公立の方がステータスとしても高いので、最終的には「国公立」の大学を目指してほしいです。
絶対にやってはいけないこと
絶対にやってはいけないことがあります。
それは借金です。
借金をしてまで中学受験するのは、望ましいこととは言えません。
借金をしてまで塾に通うと、子どもにもかなりのプレッシャーがかかってしまうでしょう。
「失敗できない」という気持ちが精神的な不調を期待してしまう可能性も否定できません。
祖父母からの「生前贈与」以外には、借金やローンを組んでまで中学受験をすべきではないでしょう。
まとめ
学歴や経験などが話題となっています。
評価は「学歴」ではなく「経験」ですべきだという意見がクローズアップされています。
しかし、「学歴」こそ一番平等な評価手段だと言えるでしょう。
私自身、試験だけで評価される受験がなければ、今の職業にはつけていないでしょう。
「経験」が重視されるのであれば、ふんだんに「経験」を積ませることができる富裕層だけが優遇される世の中になってしまいます。
勉強で勝ち取れる学歴があるからこそ、日本ではある程度の「平等」が保っているといえるでしょう。
親としては、子どもには自分よりいい生活をしてほしいと思うものです。
自分よりいい生活を送ってもらうためにも、しっかりと勉強できる環境を整えてあげたいと思っています。
ですから、小さい時からコツコツと貯蓄していったり、稼ぐ力を身に着けていく必要がありますね。
しかしながら、口では簡単に言えますが、なかなか難しいことは間違いないです。
中学受験が必ずしも正しい道とも言えませんし、いろんな角度から中学受験をさせるべきかどうか各ご家庭でよく検討してから臨んだほうがよいでしょう。
中途半端に進めてしまうと、思わぬ落とし穴があったり、「こんだけ費用がかかってるのになんで成績がわるいのよ!」などと不要な怒りや不和が生まれてしまいます。
行き当たりばったりにするのではなく、小さいころから計画を立ててゆとりある中学受験を計画しましょう。
私自身、上にあげたすべての手段を実行しています。
✅稼ぐ力を磨く
✅投資する
✅副業をする
中学受験するしないにかかわらず、何か行動を起こさないと現状は何も変わりません。
何かに挑戦し続けている親の姿を子に見せることもプラスの影響になります。
中学受験には、塾の費用として「350万円」かかりますが、この将来を思うと決して高くはない「投資」なのかもしれません。
私の意見が必ずしも正しいとは思っていませんが、少しでも参考にしていただければ幸いです。
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役立つオススメ記事をご紹介します。
これを読んでいただければ、浜学園での長男の経過や推移などがわかります。
長丁場のなか、子供さんの成績が伸びなかったり、ダラダラしたり、行きたくないって言い出したり、さまざまな局面が訪れると思います。
そんな時にどうしたらいいか?
難しい問題ですよね。
私は現在進行形で中学受験の子供を育てていますが、客観的に精神科医の立場から、困難な局面でどのように対処したら良いか分析しています。
お読みになっていただければ、いつかくる場面で役立つと思いますので参考にしてください。
思うように点数が伸びずイライラすることもあります。
その時は、この記事を読んでみてください。イライラを抑える術を精神科医の立場から説明しています。
また、子供が気持ち的に参ってしまわないか注意は必要です。
精神的なサポートについては、過去記事を参照してください。精神科医としてアドバイスさせていただいております。
受験だけでなく、いろんなところで役立つ内容だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば幸いです。
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