今回は、中学受験まで残り4ヶ月となった9月になってからすべきことについて解説したいと思います。
9月なってから親御さんがしなくてはいけない大事なことがあります。
「志望校」の最終決定と調査です!
どのように志望校を決めていくのか、夏休み以降のの戦略やモチベーションにも非常に大事になってきます。
どうやって志望校を決めていけばいいのでしょうか?
ご家庭の希望、本人の憧れ、学力、相性、家からの距離、お友達、日程などなど色々な要素があり、志望校を決めるのに難航するご家庭もあるでしょう。
また、志望校が決まったとして、実際の受験に向けてどのように計画を立てていくのでしょうか?
練習のために日程が異なる中学校を受けるべきか、願書はどうやってだせばいいのか、願書の期日はいつまでか
などなど把握していく必要があります。
もう9月で受験まで約140日です。あっという間に時間は過ぎていきます。
この記事を書いている9月7日現在、
受験まであと130日
ここから本番まであっという間だと思います。
130日と書くと、4ヶ月とするより緊迫感がありますよね。
親として、9月になってからすべき受験の準備、すなわち「志望校の最終決定と調査」について説明していきたいと思います。
? 中学受験を考えているすべての親御さん
? 志望校の決め方に不安がある親御さん
? 他の家庭の教育の仕方に興味がある親御さん
? 中学受験に興味がある親御さん
受験校決定へのプロセス
12月中旬までには受験校を決定しないといけません。
「志望校=受験校」ではない可能性もありえます。
志望校は、憧れと同時に、苦しい時を乗り切るための目標ですが、9月以降は最終的な志望校を絞っていく必要があります。
夏時点での志望校は、頑張ったら手が届きそうなところを設定しているお子さんも多いと思います。
しかし、夏が終わり『志望校との距離』がだいたいわかってきて、これからは具体的に受験する中学を絞っていく必要があります。
志望校判定テストなどのテストの判定結果を利用しながら決めていくと良いでしょう。
夏休み中の志望校は1ランク上、すなわち偏差値でいうと5くらい上の中学を目指してきたと思います。
夏休みも終わり、さまざまなテスト結果、勉強の進み具合から、その志望校が受験校になりえるかどうか判断しなくてはいけません。
いつまでも現実的ではない志望校を追いかけてしまうと、最終的な受験校と異なった場合に大きなロスになります。
6年生になってからテストで「A」あるいは「B」判定が一度も出ていないと難しいと思った方がいいかもしれません。
大学受験と違って、「浪人」という選択肢がないため、大きな冒険はさせづらいです。
悩んだら、塾の講師から客観的な立場から意見をもらうのが良いでしょう。
最終的な志望校をめぐって、親子で喧嘩してしまうと時間の浪費ですし、関係が悪化しかねません。
テストの結果を中心に塾側の客観的な見解を参考にしながら冷静な判断が望まれますね。
また、9月からは過去問を解いていく必要があります。
実際受験する中学校の過去問を解く時期がずれ込むと、他の受験生より練習不足に陥ってしまう可能性があります。
受験校とともに、併願校の過去問を数年分は解いておく必要もあります。
9月以降は、学校のイベントも塾のイベントも多いためなかなか時間も作れなくなってしまいます。
志望校が定まらず絞りきれていないと、その分、受験校の過去問に時間を割く時間が減ってきます。
過去問は非常に大事です。合格者平均点や最低点も公表されているので、少なくとも8年分はしっかりやっておく必要があります。
8年分の過去問を本番のテストさながらに行なって、合格者平均点を目指す練習が必要となります。
以上のことから、最終的な志望校、つまり受験校を決定していく必要があります。
9月には実力に見合った最終的な志望校(=受験校)を早めに決定することが大事
志望校決定まで
最終の志望校決定までの流れは、以下のようになります。
弱点発見の期間。過去のテスト結果を踏まえて弱点の把握する。
夏期講習の間に志望校の本格検討。さらに、その学校を調査する。
志望校を決定→塾での志望校別コースの履修する。
受験校の最終決定と併願パターンの決定する。必ず願書の期日は把握しておく。
入試直前の特訓
こうやって書き出すと、夏が終わるとあっという間に受験本番なんだと実感しますよね。
スケジュールは視覚化することをお勧めします。
受験カレンダーを作成し、いつまでに何をするとか、いつまでが願書提出期日とか、いつが模試とか受験本番とか書き出していきます。
具体的にカレンダーにすると、あっという間な感じがして恐ろしくなります。
何より、スケジュールをしっかりしてないと、何事も行き当たりばったりになるのでおすすめはしません。
志望校決定に考慮すべき点
志望校決定までに考慮すべき点をおさらいしましょう。
①本人の希望・家庭の方針:6年間通う母校となる
②本人の学力:入試問題との相性や得意・不得意科目による有利・不利など
③本人と学校の相性:自由な校風、規律、宗教など
④通学時間:片道の時間×2×6年間の時間がかかる
⑤大学実績:最終的にどの大学へ入学したいのか
⑥その他:友人関係、学費、クラブ、教育方針など
本人の希望・家庭の方針
6年間通う母校となります。
青春時代の6年間は非常に大切です。
おっさんになってからの6年間とは非常に意味合いが異なりますね
なるべく本人の希望に添いながら、ご家庭の方針と擦り合わせていく必要があります。
くれぐれも秋(10月)を過ぎても
「志望校はまだわからない」
というのは避けた方がいいです。
できれば、1校にしぼっておくべきですが、少なくとも2校までには絞っておきましょう。
本人の希望とご家庭の方針が乖離してしまうこともあるでしょう。
その場合は、テストの結果を参考にしながら第3者である塾に意見を求めるのがよいでしょう。
やはり、データがかなり蓄積されていますので、理想を排除した現実的な意見を出してくれます。
本人の学力
何と言っても、ここがポイントでしょう。
学力、すなわち偏差値がだいぶ不足していると、なかなか合格は夢物語になってしまいます。
6年生になってからのテストで一度でも判定「A」か「B」は欲しいです。
ただ、入試問題との相性もありますから、志望校の出題傾向を把握しておくとよいです。
特に国語は志望校によってだいぶ特色に差が出ます。
志望校の過去問や、塾での志望校模試を受けてみて相性を確認してから決めても良いでしょう。
問題の相性が合って、得点が伸びるケースもありますね。
また、配点が学校ごとに算数、国語、理科(社会)の配点割合がことなりますので、得意・不得意科目による有利・不利なども考慮するといい場合もあります。
ただ、算数は一長一短には伸びません。
算数は相性というよりは、どんな問題でも実力が反映されやすいです。
日頃から勉強している子は、夏場からピッチをあげて勉強してきます。
しかし、それを上回る潜在能力と努力があれば、秋から逆転も不可能ではありません。
特に、男の子は私の長男も含めて不真面目な要素がかなりあるので、スイッチが入ればかなり巻き返しが期待できます。
諦めずに最後まで伸びるとおもって勉強していくことが大事です。
最後まで根気強く勉強できるサポートをしてあげましょう。
本人と学校の相性
自由な校風が好きなのかどうか、宗教もどうかなど大事なポイントですね。
自由な校風なところもあれば、大学受験に向けて中学からアクセル全開で厳しいところもあります。
校則が自由だったり、厳しかったりも様々ですよね。
印象としては、トップ校ほど自由な校風で校則も緩いイメージです。
それだけ、自分の学校にくる子どもたちに対する信頼度が高いのでしょう。
校風があうかどうかなど、実際に学校を訪れてみる
学校見学会、体験授業、説明会など、学校のホームページで随時確認しましょう!
子供自身が目標を持つことが大事です。
目標がなければ、勉強する動機が欠如し勉強を継続しにくくなります。
できるだけ志望校に行って動機づけすべきですね。
通学時間
通学時間も非常に大事なポイントですよね
片道の時間×2×6年間の時間がかかります。
夏の暑い日も冬の寒い日も、雨の日も風の日も、6年間通わなくてはいけません。
片道2時間以上は結構きついです。
私の家では、1時間前後までと考えています。
志望校は学力距離も大事だが、通学距離も大事
大学実績
どの大学に何人合格してるのか?
医学部には何人合格しているのか?
お子さんが最終的にどの大学へ入学したいのかも大事なポイントですよね。
とはいえ、小学生の段階で〇〇大学に行きたいという子は少ないかもしれません。
「東大に行きたい」「医学部に行きたい」は言っている子はいると思います。
その場合、「〇〇中学からは●●人東大にいっている」など分かりますので、それがモチベーションの一つになるかもしれません。
親としては、大事な情報なので押さえておきたいポイントですよね。
東大、京大が年々増えているのか、横ばいか減っているのか。
医学部は何人いっているのか。
何校か悩んだ場合、どの大学に何人行っているのかで決めてもいいと思います。
その他
友人関係、学費、クラブ、教育方針などもポイントになってきます。
さらに、
男子校、女子校、共学かどうか
海外実習があるのかどうか
設備が充実しているかどうか
なども大事です。
特に海外実習や留学は、キラキラしているので子供たちからは憧れポイントですよね。
逆に親からすると、お金がかかってしまう不安要素ではありますが。
入試情報のチェック
2024年度は近畿統一日は1月13日(土)です。
各学校の入試日程は7~9月にホームページで発表されます。
いろいろな試験パターンがあるため、必ず、出願方法や期日を親がチェックする必要がある。
自分の目で見て確認を怠ってはいけませんし、間違っても、人のせいにはできません。
Webでの提出も増えてきているので確認が必要です。
確かな情報は塾任せではなく、自分自身で確認する必要があります。
願書の期日を間違えるご家庭もわずかながら存在するようです。
もうそれは、どうしようもなくどれだけお願いしても受け付けてはくれません。
志望校を1つに絞り切れず2つある場合も少なくないと思います。
受験日が被っていて期日までにどちらか決めるのが困難であれば、どちらも応募しておいてもよい。
ただし、オススメはしません。
というのも、どちらも勉強していく過程で、過去問をどちらも解くのは大変負担が大きくなります。
できれば早めに志望校を決定することをお勧めします。
ちなみに過去問を始めるのは、遅くとも10月ごろ遅くて11月ごろからとなります。
なお、学校主催のプレテスト、学校見学会、体験授業、説明会なども、学校のホームページで随時確認する必要があります。
特に、プレテストがある学校は、必ず受けなければなりません。
志望校の情報は常にHPをチェックしておきましょう
併願校選びについて
① 家庭内での方針を決める
② 併願校も含めて情報を入手する
③ 受験校に上下の幅をもたせる
④ 前受け入試、午後入試、後期入試も含めてプランを立てる
⑤ 第一志望以外の入学を考えていない場合も必ず併願校を用意する。
⑥ W出願や結果次第での緊急出願も考える。
併願校選びも非常に大切です。
各ポイントごとに見ていきましょう。
家庭内での方針を決める
家庭内で方針が統一されていないと、子供が集中できません。
秋を過ぎても、お子さんがどこを受けたらいいのかわかっていない時もあります。
その場合、いい結果が伴わないケースも生まれてしまいます。
お子さんと一緒によく考える時間を設けるようにしましょう。
曖昧にしておくと後々傷が大きくなります。
併願校も含めて情報を入手する
学校主催説明会、ホームページなどを利用して日程を組む必要があります。
受験するにあたって、日程的に厳しくないか、受験料はいくらかなどなど調べていきましょう。
受験校に上下の幅をもたせる。
チャレンジ校、実力相応校だけでなく、抑えの学校も考えておきましょう。
フィフティフィフティばかりの学校ですと、プレッシャーがひどいので心のゆとりが持てなくなります。
ずっと極度の緊張状態ですと力も発揮しづらいです。
ですから、抑えの学校も選んでおきましょう。
前受け入試、午後入試、後期入試も含めてプランを立てる。
受験慣れのために前受け入試や近年増加している午後入試は多くの方が受験されます。
近畿でいうと1月14日の入試統一日よりも前に開催される入試日程のこと。
近畿の学校以外の中学校が大阪などでサテライト受験をしている。
前受入試は、本命校までの慣れのための試験として捉えましょう
1月14日の関西統一入試日より前に受験できる中学校をピックアップしておく必要があります。
12月や1月上旬に練習として受験するようにしておくとよいです。
具体的には、東海の海陽中、岡山白陵中、北嶺中(北海道)、愛光中(愛媛)などです。
北嶺中は、浜学園生は模試の採点結果並みになんと成績分析をしてくれます。
第一志望以外の入学を考えていない場合も必ず併願校を用意する。
ご家庭の方針にもよりますが、万が一不合格であった場合、気持ちの整理がつきにくくなります。
たとえ受験での中学進学をあきらめて高校受験をすることになったとしても、高校受験に向けて前向きになるためにも、できれば一校でも合格できるようにしておくことが大事です。
または、受験前は第一志望しか行かないと決めていても、併願校に行く決心がつくかもしれないです。
W出願や結果次第での緊急出願も考える。
統一日合格ならばA校、不合格ならばB校など幅広く考えておきましょう。
学校によっては、受験当日まで出願を受け付けるところもあるので情報はアンテナ広く集めておきましょう。
私の長男の場合
2023中学受験組の長男の時を思い出して書いています。
関西の最も難しいところも目指せる可能性もゼロではなかったのですが、
・国語に穴がある
・本人が志望していないということが大きく、
最も難しいところは目指さずその次のところを目指していこうというスタンスになっています。
今の成績だと最も難しいところは、ギャンブル的な要素も大きく親としても避けたい気持ちです。
ただ、二番手以降の中学校でも必死にならないと受からないとは思っています。
要所要所で、
このままでは合格しないよ
と言って、危機感を持たせていました。
中学受験以降はのびのびやってもらって大学受験が最終的な勝負なので、そこに余力をのこして中学受験していくのも一考かもしれません。
何が正解かはわかりませんが、本人が行きたいと思っている中学校のほうが親側もサポートしやすいのは間違いないので、合格可能な範囲で難関校を子供自身が志望できるようにサポートしていきました。
まとめ
✅ 志望校の決定
✅ 志望校の情報収集
✅ 併願校の決定
✅ 上記を子供とよく話し合うこと
どうせやるなら、中途半端は良くないです。
親としても後悔がないようサポートしていきたいですね。
その結果として、子供の成功につながっていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば幸いです。
役立ち記事の紹介
最後に、お役立ち記事をご紹介します。
思うように点数が伸びずイライラすることもあると思います。
その時は、この記事を読んでみてください。イライラを抑える術を精神科医の立場から説明しています。
また、子供が気持ち的に参ってしまわないか注意は必要です。
精神的なサポートについては、過去記事を参照してください。精神科医としてアドバイスさせていただいております。
受験だけでなく、いろんなところで役立つ内容だと思います。
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