今回は、「子どもがなりたい職業」で比較的上位に位置する「医師」という職業について解説します。
医師は小中学生の「なりたい職業ランキング」で10位以内と比較的上位に位置しています。
ドラマやマンガの影響などから小中学生のなりたい職業ランキングで上位に位置していますね。
それ以外にも、「収入が安定している」「人の役に立てる」などの肯定的な見方からなりたいと思うのでしょうね。
小さい時からお世話になることが多いのも、親しみがわきやすいのかもしれません。
風邪を引いた、けがをしたなどで病院を受診すると医師に出会います。また、予防接種や定期健診でも医師と触れ合う機会は小さいことから多いですね。
小さいころから比較的近い距離にいる医師という職業に親近感を抱く理由もわかります。
結果として、
医師という職業になりたいという気持ちが湧いてくるのは自然のこと
と言えますね。
私自身、両親は医療従事者ではなかったのですが、いつしか医師を目指すようになりました。
医師になってよかった「理由」については、過去記事をお読みください。
では、
どのような人が「医師」という職業に向いているのでしょうか?
結論から言いますと、
どんな人でも「医師」という職業に向いている
です。
「おいおい、そんなわけねーだろ!」って言われそうですが、事実です。
それでは、なぜ「どんな人でも医師という職業に向いているのか?」について説明したいと思います。
? 医師になりたいと思っている子供の親御さん
? 何になりたいかわからないお子さんの親御さん
? どんな職業がいいのか探しているお子さんの親御さん
? 医師という職業に興味がある人
なぜ医師という職業は万人に向いているのか
本当に医師という職業は誰しもが向いている職業なのか信じられないと思います。
理由は結論から言いますと、
✅ バラエティーに富んだ様々な専門科がある→少なくとも60以上も診療科があるからどれかは合うはず。
✅ いわゆる「臨床医」にこだわる必要がなく「研究」もできる→研究者としても活躍できる。
✅ いろんなジャンルで「起業」しやすい→社会的地位が高いので、融資などが受けやすい。
✅ 医師という免許さえあればバイトだけでも十分食べていける→健診バイトでちょこっと働いて趣味に没頭もできる。
以上のことから、「誰しもが医師に向いている」のです。
「医師という職業は魅力的だけど、手術とか怖くてできない」
「医師になってみたいけど、救急医療で即断即決したりできない」
「医師っていいなって思うけど、手先が器用じゃないから向いてないかも」
と思っている人も少なくないと思います。
しかし、
「向いてないかも」という理由であきらめるのはもったいないです。
医師という国家資格は、現在日本に存在する国家資格の中で「最強」です。
医師を目指せるチャンスがある人は、ぜひ検討してみてほしいです。
それでは、一つ一つ詳しく見ていきましょう。
バラエティーに富んだ様々な専門科がある
厚生労働省のHPだけでも「63」の診療科があります。
厚生労働省のHPで挙げているだけでも「63」もあります。
これだけあるのですから、どれかは自分と合う科が見つかると思います。
しかも、特別な事情がない限り、選択は自分次第です!
「あなたは大学時代の成績が悪かったので、この科には行けません」とか「あなたは研修医に怠惰だったので、バツとしてこの科に行きなさい」ということは基本的にはありません。
途中で変更も可能
しかも、途中で変更も自由です。
「内科」から「精神科」
「外科」から「美容外科」
「整形外科」から「総合診療科」
など、本人が決めたことであれば自由に名乗ることができちゃいます。
もちろん、「専門医制度」というのがあるので、専門医という資格を認定されない限り「〇〇専門医」とは名乗ることはできませんが、「〇〇科の医師」ということはできるのです。
ただ、
日本の専門医制度というのも、ちょっといい加減で、ある一定の条件を達成できれば認定されるもの少なくないです。
今、「専門医制度」も過渡期にあって、まともに機能していない状態です。
「専門医」を取得したからと言って、「優れた医師」の証左ではありません。
日本の専門医制度は問題だらけで、私だけではなく、「大丈夫か?」と心配している医師も多いです。
いろんな利権が絡んでそうで、闇だらけな制度です。
これに関しては、話せば長くなりますし、今回のテーマとはことなるので、また別でご説明したいと思います。
途中で変更しにくいケース
昨今の小児科医不足、産婦人科医不足、過疎地域の医師不足のために、大学入学時点で「専門科」を決めてから入学するケースもあります。
人気のない科を志望している学生に医学部に入学しやすくなるアドバンテージを与えています。
大学によっては、「小児科コース」「産婦人科コース」「地域医療コース」などと入学しやすくなるメリットと引き換えに、卒後、専門とする科を入学時に縛る制度があります。
和歌山県立医科大学の地域枠ケース
和歌山には産婦人科医や小児科医、精神科医が少ないので、特別枠を設けています。
入学時点で専門科が決まっているだけではなく、9年間は大学の指定する医療機関で働く必要があります。
入学しやすいメリットのほかに、「お金」も支給されるんです!
自宅外だと月15万円も支給されます!
この給付金は、9年間、大学が指定する病院で働けば「返金不要」です。
つまり、医学部生の間に給付される、月15万円×12か月×6年間=1,080万円はもらえちゃうんです。
専門科が入学前から決まっていれば、大学に合格しやすいし返金不要の給付金もあるしでいうことないですね。
ただし、、、
大学入学して実際にその診療科を目の当たりにすると気持ちが変わってしまう可能性はあります。
私は基本的にはお勧めしません。選択肢が広いほうがいいので、大学入試に自信があれば敢えて選ぶ必要はないと思います。
リスクとベネフィットを天秤にかけて選ぶ必要があります。なかなか取り返しがつかないので。
基本的に専門科の選択は自分次第!職業選択の自由は保障されている
医学生のころは「〇〇科」に行きたいと思ってはいても、いざ研修医として働きだすと「やっぱり△△科にしよう」ということは、めちゃくちゃ頻繁に起こるケースです。
また、医師を続けていくと「〇〇科はそろそろしんどくなったから△△科でもやってみようかな」も少なくないです。
本当に自由です。
一般的な会社員ですと、「来年度は〇〇部署に転属です」とか「明日から△△所属です」とか上からの命令がすべてだと思います。
意外に思われるかもしれませんが、医師は「自由」です。
やはり「医師」という国家資格が強すぎて、そのような自由が利くのだと思います。
いわゆる「臨床医」にこだわる必要がなく「研究」もできる
病院で患者さんのために働く「臨床医」にこだわる必要はありません。
「研究者」としての道
もあります。
ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授は、臨床医ではなく研究者の道を選ばれました。
私の大学同級生も「臨床医」を目指さず、「研究者」として立派になっている医師もいます。
山中先生のような偉大な業績を残す医師は一握りなのですが、いわゆる「結果が出ない研究者」だったとしても医師の免許さえあれば食べていくには困りません。
日本で「研究者」だけをしていくには、生活的に厳しいと思います。
先行きが不安ですし、結果を求められる昨今では精神的なゆとりもないでしょう。
理研の雇止め
最近、理研の雇止めが話題になりました。
「理研」とは、国立研究開発法人「理化学研究所」のことで、兵庫県神戸市にある日本でも有数の研究施設です。
この記事を読むと暗澹たる気持ちになるのですが、2023年に300人近くの研究者が雇止めになりそうとのことです。
研究者は任期制職員として採用され、1年間の有期雇用契約の更新を繰り返すため、任期制職員の通算契約期間を上限10年とされている結果、制度が施行されてから10年目の2023年に大量の雇止めが発生しそうとのことです。 ぽりぽり
こんなことをしている限り、日本の科学技術は衰退の一途です。
研究者も医師免許を持つべき理由
では、もし医師免許をもっていればどうでしょうか?
医師免許があれば高額なバイトが可能ですし、場合によっては「研究者」をやめて「臨床医」として働くことも可能です。
医師免許で「担保」されているので気持ちは楽ですね。
研究だけではあまり多くない給与なので、隙間時間に医師免許を利用したバイトを行うこともできます。
そんな後ろ盾があるような心構えだと研究者として大成できない、追い込まれてこそ結果が出るのだ!という意見もありそうですが、よい閃きとかよい考えというのは切羽詰まった状況よりも、余裕がある状況で生まれやすいと思います。
ノーベル賞を受賞された山中先生も医師免許を持っていますしね。
いまの日本だと、研究者は冷遇されすぎていて、その傾向は年々拍車がかかっている印象です。
もし研究者を志すのであっても、「医師免許」があるとないとでは気持ちのゆとりが違うので「医師免許」はおすすです。
研究者の道を選んでも、「医師免許」の威力はでかい
いろんなジャンルで「起業」しやすい
医師は、免許の強さから「起業」もしやすいです。
研究と同じ理屈で、たとえ起業に失敗しても医師免許があれば食べていけるという気持ちがあり心に余裕ができます。
どんだけ失敗しても医師免許があれば、すぐに取り戻せる
というマインドほど心強いものはありません。
医学部生の「九島遼大」さんはTikTokのバズらせ屋として活躍されているとニュースされていました。
医師免許と直接は関係ないかもしれませんが、「医学部」「医師」というパワーワードが信頼の一つになったことは間違いないでしょう。
若い世代ほど、「医師」という枠組みにこだわらず、「起業」することで「医学」や「医療」を変えていこうとうマインドが生まれています。
ネット世代の学生が医師を目指す過程で、「ネットビジネス」と「医療」を結び付けて起業するケースが多いようです。
社会的地位も高いことから、通常よりも融資が受けやすいです。
起業するための資金も比較的ためやすいのは間違いないですし、融資も通常よりは受けやすいので利点は多いです。
医師という免許や地位をフル活用し、ジャンルにとらわれない「起業」という選択肢も十分に魅力的
一昔前だと、「臨床」をせずに「起業」するとなると、変な目で見られていたと思いますが、時代はかわり「起業」する医師のチャレンジ精神が称えられるようになりました。
医療分野は、ITとの親和性も高いわりにまだまだ発展の余地は十分に残されているのでねらい目ではありますね。
医師という免許さえあればバイトだけでも十分食べていける
万が一、医師免許を獲得したものの、自分に合う診療科がない、研究者にもなりたくない、起業もしたくないというケースでも全然問題ないです。
また、
「趣味に生きたい」と思っても、医師免許は絶大な効果を発揮
します。
さらに、ママ(パパ)になって第一線を退いて、主婦(主夫)をしながら隙間時間に稼ぎたいというケースでも医師免許ほどパワーを持っている資格はないです。
非常に単価が高いバイトがあるから可能なんです。
例えば、
✅ 健診バイト:誰でもできるスキルは不要。時給は1万円前後。
✅ 産業医:産業医資格さえあれば誰でもできる。時給は3万円前後。専属であれば最低年収1000万円。
✅ 知り合いの医院や病院のお手伝い:契約にもよるが融通が利くバイト。
こんな感じです。
他にもワクチンのバイトや、専門性はありますが、麻酔科のバイトや内視鏡のバイト、当直バイトなど事欠きません。
健診バイト
健診バイトは、スキル不要なので誰でもできて、単価も安くなっているとは言え、世間的には十分に高い水準です。
ちなみに私は健診バイトはしたことがないです。理由は退屈だからです。
好き嫌いにもよりますが、「流れ作業をこなす」ことに抵抗がなければこれほど楽に稼げるバイトはないでしょう。
バイト斡旋サイトに登録さえしていれば、ひっきりなしに「健診バイト」の募集メールが届きます。
北海道健診バイトツアー5泊6日
北海道健診ツアーみたいなバイトもあります。
医師不足が著しい北海道では、
「〇月〇日から5日間北海道のある地区を回って健診をする」というバイトもあります。
もちろん、飛行機代、宿泊代などの交通費は出してもらえますし、5日間で20万円近くの報酬もあります。
それを年何回かこなして、あとは趣味に生きる人もいるのでしょうか。
次々に案件がきます。
産業医はおすすめ
産業医は免許さえ取得できれば高報酬のバイトなのでお勧めです。
私も産業医はさせてもらっています。
産業医の単価は、1時間3万円前後と非常に高いのでお勧めです。
ただ、1企業につき月1時間が標準なので、コマ数が少ないというネックはあります。
専属産業医もありますが、時間拘束が長いので、趣味に生きる人にはあまり向いていません。
とはいえ、専属産業医も一般的な臨床医よりも自由度が高いので魅力的なジャンルは間違いないです。
詳細については、別サイトの記事を参考にしてください。
シリーズ4話で構成されていますが、産業医のなり方から有効活用まで書いているので参考にしてください。
まとめ
今回は、「医師は誰でも向いている理由」について説明しました。
医学部に入学するハードルは高いですが、目指すだけの価値はあります。
医学部に入れる能力があるけども、医師には向いていないと思い込んで目指さないというのはもったいない気もします。
ただ、頭いい人がみんな医師を目指してしまうと国は衰退してしまう気がします。
医師は安定していますが、爆発力はありませんし、新たな何かを生み出すという職業ではありません。
とはいえ、「起業」や「研究」といった爆発力をもった選択肢もあるので非常に魅力的な国家資格であることは間違いありません。
ぜひ、お子さんと将来について話し合ってはいかがでしょうか?
堅苦しい感じではなく、軽い感じでもいいので。
最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば幸いです。
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